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2022/08/09(Tue)
ヒロアカ:短編

恋花火/緑谷出久
【お年寄りは大事に】


「毎年、毎年……なんで俺が、町内会の夏祭りなんぞの手伝いをしなきゃならんのだ……」

「勝己!ぶーたれてないでさっさと手ぇ動かして!」

「ぶーたれてねえわックソババア!」

「アンタまた親に向かってそんな口の聞き方して!」

「爆豪さん、備品壊れちゃうから、置くときは優しくね……?」

「あ、ごめんなさい……つい」

賑やかな爆豪親子とは反対に、真面目に黙々と手伝いをするのは緑谷親子だ。

「出久ちゃん、今年も手伝いに来てくれてありがとうね〜」

「あ、いえ、僕も楽しみにしてましたから」

「それに、雄英に合格したんでしょ?すごいじゃない!」

「うちのご近所で勝己くんだけでなく、出久くんも合格するなんてびっくりよ!」

「ぎりぎりというか……本当に奇跡に近いですけど」

(……チッ。期末試験で最後にてめェがゲート潜ったからって、いい気になりやがって)

面白くないようにその様子を見る爆豪の目が、気づいたのは。

「……おい、ジジイ。無理すんじゃねえ、貸せ」

そう言って、重い荷物が入ったダンボールをぷるぷるしてる腕から無理やり爆豪は奪う。

「なんじゃ、今年も手伝いに来ておったのか、爆豪とこの悪ガキめ。無理などしとらん。わしはまだまだ現役じゃ!」

「よく言うぜ。腰ぶっ壊しても知らねーぞ」

「こら勝己!長内のおじいちゃんにまでそんな口の聞き方して!」

「まったく……その口の悪さと物怖じせんとこは一級品じゃな。まるで昔のわしを見ているようじゃ」

「アァ!?ざけんな!!俺はぜってーんなヨボヨボのジジイにならねえからな!!」

「誰がヨボヨボじゃ!!わしゃまだまだ現役〜〜」

「今年も爆豪さんがいる班は賑やかだね」

「そうだね……」


 ――でも、口ではああ言いながらもさりげなく手伝って、かっちゃん優しいんだよなぁ。



ここで夢主がいたら「優しい!?それはちょっとよく言い過ぎじゃ……」ってつっこむはず

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