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2022/08/11(Thu)
ヒロアカ:短編

恋祭り/瀬呂範太
【荼毘小ネタ】

「お願い……!私の家族を燃やして……!全部跡形もなく消して!!」

少女は暗い瞳に憎しみを孕んで、荼毘を見つめて言った。それは、神にすがるような声だった。

「ああ、いい瞳してんな……」

 まるで、鏡を見ているようだ――。

「俺が全部、燃やしてやるよ。お前の家族も――憎しみも――過去も」

そう言って、荼毘は少女に手を差し出す。
少女はその手を取った。

今日は彼女の誕生日だ。

地獄でしかなかった今までの人生を捨て、新しい自分に生まれ変われる。

目に映るは祝福するような光景。

自分を苦しめたあの家が、青い炎に呑み込まれ、燃え上がる。悲鳴さえも聞こえない。

なんて美しい蒼炎なのだろう!

これは、不浄なものを焼き尽くし、清浄する――聖なる炎だ。確かに、彼女の目にはそう映ったのだ。

「俺の名は荼毘。お前は?」

「私は――……ううん。あなたが付けて。私に新しい名前を……あなたに付けてほしい」

「そうだな……。じゃあ――」

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