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2025/07/27(Sun)
ブルロ:短編
ターコイズブルーの兄弟/糸師兄弟
【ブルロ/糸師兄弟/背比べ】
「こら凛、背伸びすんな。ちゃんと計れねえだろ」
「だっておれも、早く兄ちゃんみたいに背ぇ高くなりたいんだもん」
「父さんも母さんもでかいし、心配しなくてもちゃんとそのうち伸びるよ、おまえも。遺伝ってやつだ」
「じゃあ、いつか兄ちゃん越せるかな?――いてっ」
「調子に乗んな。おれを見下ろすなんて100年早え」
ふざけて言ったら、定規を乱暴に頭に当てられた。
――糸師家の居間にある柱を見て、凛はそんな日々を思い出す。
"さえ"、"りん"と拙い文字で書かれた横に、互いの成長の記録が線として残されている。
途中から冴の線だけが止まっているのは、渡西したため。
凛の線だけが増え、増えていくだけでなく、いつの間にか凛は冴の身長を越していた。
柱に触れる。
おまえの全てを見下ろしてやる――柱を見る度に凛はそう思っていたが、現実はそうはいかなかった。
(まだ、あいつを追い越してねえ。……あいつに追い越されることも許さねえ)
己のエゴを見つめ直せと言われたが、それがどういうことか、凛はまだわからない。
思考を切り替え、久しぶりに実家に帰ってきたこともあり、凛は身長を計ってみることにした。
(……1p、伸びた)
そして、309話「再逢(さいかい)」のあの冒頭へ
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