文豪ストレイドッグス

太宰榮(だざい・はる)

「わたしは弱い。けれども、弱いわたしに殺される貴方は、もっと弱いのだろうね」
「血が繋がって居ても居なくても同じだ。無償の愛何て幻の産物、夢の代物。斯う云う幻想は忘れて仕舞え」

年齢:13歳(黒の時代)→17歳(敦入社〜)
身長:152cm→168cm
体重:32kg→42kg
血液型:AB型
誕生日:9月24日
好きなもの:自殺未遂、兄さん、織田さん、安吾さん、猫、甘いもの
嫌いなもの:云う事を聴かない犬
異能力:花吹雪
CV:小林ゆう
お相手:なし

 ポートマフィアに所属する少女。兄・太宰治のレディキラーフェイスを継ぐ為、女性にストーキングされることもしばしばある。兄の闇の意思を継ぎ幹部の座に据わっているが、幼い頃より兄に愛を与えられず闇で育った故か、余り自分の事を肯定しない。無償の愛とは幻想の灯火であるという考えを横に持ち、人を殺す際の憐れみさえ無価値と考え乍ら任務を遂行しているが、結局の所「マフィアに殺される人間にも死んだら悲しむ他人が居る」という事を信じていないだけ。それもある事件で過去形になっている。兄には喉を灼かれ骨を折られ皮膚を焚かれ水の中に放られたがそれでも唯一無二の血縁を心から敬愛していて、たった一度マフィア時代に髪を撫でられた事が心に強く残っていたのか髪を伸ばしてポニーテールにしていたが、それもざんばらに切られたらしい。現在は伸ばし直している。
 マフィア時代の太宰と揃いのデザインである灰の外套を羽織っている事が多い。また、黒の時代は左手に厚い古文書を持つ。これは異能力を制御する上で必要な事柄であって、戦う際にはその古文書をスカートにぶら下げている。現在は無くても可。

 結局の所、榮を出来損ないと言っていた太宰以外は榮の事を尊敬していたり可愛がっていたりして、一度は黒蜥蜴の統括にする案も上がった程に人望はある。しかしそのどれもを太宰によって却下されており、太宰と同じ、とまでは行かずとも常人より遥かに良い記憶力を持つ榮自身も兄に褒められた経験は無いと明言している。ちなみに森が太宰兄妹を拾った当時、榮の年齢は12歳以下(森のロリコン適応範囲)であった。当時の榮の服装は森の趣味とか何とか……。

 基本的に誰ともそれなりの仲を築ける性格だが、最近入ってきた樋口の事がお気に入りらしく、良く面倒を見ている。樋口の事を怒る芥川を叱る事もあったり無かったり……。なお榮は芥川の生活面の指導を任されており、太宰のスパルタに傷を負った芥川の治療をするのも榮だった為、今でも芥川は榮に余り逆らえない。樋口の事は「可愛いから(好きな人が居る女の子が可愛い・好きな人の為に尽くす子が可愛い)」構っていて、時折戦闘の師になる事もしばしばである。

 榮の戦術の師は森と太宰、戦闘の師は太宰と中原。太宰と言い合える中原を羨ましげに見つつも、中原のことも好んでいるから、嫌われたくなくて何も言えず。そんな榮を尾崎は心配しつつ面倒を見ていたりいなかったり。唯一太宰に勝ることが出来たのは信仰者を作る、所謂人間を懐柔すること。整いすぎた顔に完璧な笑み、けれどどこか儚く柔らかく、すぐに壊れてしまいそうな脆さを放つ榮のそれは、太宰のそれよりも確実に使える者が多く、質がいい。例えば、電話のコールひとつで助けてくれたり、榮の為に死んでくれたり。

 榮の異能力は表向き戦闘に向かず、どちらかというと補助向きである為、森から与えられた短剣と、太宰から貰った拳銃を持ち歩く。拳銃の師は織田作之助。

 また、路地裏に集まる猫の集会に訪ねた際に福沢・夏目とそれぞれ対面しており、福沢との繋がりで江戸川とも知古の関係。福沢以外は榮がマフィアの人間だと認識しているが、江戸川からは「此方(探偵社/夕暮)の人間だ」と言われており、特に強い警戒などはされていない。

 太宰との関係は拗れに拗れており、榮が「兄に疎まれているだろう、恨まれているだろう、対面は避けたい」と思っているのとは反対に、太宰は「榮に嫌われているだろう、謝りたいが対面は怖い」と思っている。特に(当時森の監視を受けていたが)監視を掻い潜り織田を助けた事を太宰には報告しておらず、太宰は「織田の死体を見た」。実際は榮の異能力で誤魔化していただけで、太宰はそれに気付かず、現在は路頭に迷っていた(フリをしろと阪口と榮に言われた)織田を保護し、共に住んでいる。坂口と榮は共犯。多分織田を助けたのが榮だと知れば太宰は榮に会って謝りたくなるけど、謝ったらまた榮が追い詰められるとは気付いていない。そこは江戸川がカバーする。どうにかして仲直りしても榮はマフィアから抜けないけど。

異能力:花吹雪
 太宰治著、「花吹雪」より。
 似た異能力としては、武装探偵社・谷崎潤一郎の「細雪」、ポートマフィア・夢野久作(Q)の「ドグラ・マグラ」など。スクリーン、幻覚を操り、そして精神を操る異能力である。特徴としては、発動時に小さな花びらが舞うことか。黒の時代は異能力の暴走を避ける為、分厚い古文書をスクリーンとして兄の異能力を投影し、制御していた。その幻覚の能力は強く、また、解くことを容易としない。スクリーンに異能力を投影する事も可能である。異能力の投影は、その異能力を認識・理解することで可能となる。

 また、名前の由来は、太宰治と心中した「山崎富栄」の“栄”を“榮”として“はる”と読んだもので、異能力名は前途した通り太宰治の著作から拝借したもの。原作で同じような名付けをされても変更するつもりは特に無いです。2018年11月中旬現在の情報で作成しました。