birthday high secret
「おかえり」
合宿所に戻ると、指揮官がラッピングされた大量の袋を腕に抱えていた。去年も同じような光景を見たことがあったが、多分それより多いだろう。
「大量だな」
「皆忙しいのにありがたいよ」
どこからか鼻歌が聞こえてきそう指揮官の上機嫌な状態に、ふーんと面白くないと言わんばかりの相槌が勝手に打たれる。
「というかそのお米どこでもらってきたの。崖縁の商店街にでも行ってきた?」
「モールの抽選会で当てた」
「おお……」
今日の運勢が一位であったから、という理由で回したのもあるが――。
「食堂に置いておこうか」
「は?」
「え?」
素っ頓狂な声がロビーに零れる。
「誕生日だろ」
「うん」
「……そういうことだ」
こっぱずかしいったらありゃしない。
「えっと、これ私宛て?」
「アンタ以外いないだろうが」
むしろ今の会話の流れで誰宛てだと思ったんだか。
「……誕生日、おめでとーごぜーます」
「……」
「……」
「……ふふっ」
「んだよ、文句あんなら返せ。俺一人で食べる」
「違う違う」
静かになった空気を破ったその変に緩みきった顔で違うと否定されても信用ならない。
「去年はプレゼントどころか『おめでとう』の言葉もこっちが催促しないとくれなかったのに」
本当に嬉しそうに破顔する指揮官を真っ直ぐ見れなくて、思わずそっぽを向いた。
「……そうだったか?」
「舌打ちされたこともしっかり覚えてるから」
「そういうとこで貴重な記憶力を使うなよ」
「どこで記憶力を使うかくらい自分で決めたっていいじゃない」
字面は怒っているのに声音を弾ませている指揮官を犬みてえと思う一方で、浮ついている自分もいて。一体どっちが犬なんだかと妙に負けた気分になった。
「食べきれるかな」
「賞味期限はないだろ」
「さすがに賞味期限も消費期限もあるでしょ……あ」
「なんだ」
「夜食のときに炊こっか。そうすれば無駄なく食べきれそう」
「言ったな」
「女に二言はありません」
そう宣言した指揮官は続ける。
「もちろん二人でね」
合宿所に戻ると、指揮官がラッピングされた大量の袋を腕に抱えていた。去年も同じような光景を見たことがあったが、多分それより多いだろう。
「大量だな」
「皆忙しいのにありがたいよ」
どこからか鼻歌が聞こえてきそう指揮官の上機嫌な状態に、ふーんと面白くないと言わんばかりの相槌が勝手に打たれる。
「というかそのお米どこでもらってきたの。崖縁の商店街にでも行ってきた?」
「モールの抽選会で当てた」
「おお……」
今日の運勢が一位であったから、という理由で回したのもあるが――。
「食堂に置いておこうか」
「は?」
「え?」
素っ頓狂な声がロビーに零れる。
「誕生日だろ」
「うん」
「……そういうことだ」
こっぱずかしいったらありゃしない。
「えっと、これ私宛て?」
「アンタ以外いないだろうが」
むしろ今の会話の流れで誰宛てだと思ったんだか。
「……誕生日、おめでとーごぜーます」
「……」
「……」
「……ふふっ」
「んだよ、文句あんなら返せ。俺一人で食べる」
「違う違う」
静かになった空気を破ったその変に緩みきった顔で違うと否定されても信用ならない。
「去年はプレゼントどころか『おめでとう』の言葉もこっちが催促しないとくれなかったのに」
本当に嬉しそうに破顔する指揮官を真っ直ぐ見れなくて、思わずそっぽを向いた。
「……そうだったか?」
「舌打ちされたこともしっかり覚えてるから」
「そういうとこで貴重な記憶力を使うなよ」
「どこで記憶力を使うかくらい自分で決めたっていいじゃない」
字面は怒っているのに声音を弾ませている指揮官を犬みてえと思う一方で、浮ついている自分もいて。一体どっちが犬なんだかと妙に負けた気分になった。
「食べきれるかな」
「賞味期限はないだろ」
「さすがに賞味期限も消費期限もあるでしょ……あ」
「なんだ」
「夜食のときに炊こっか。そうすれば無駄なく食べきれそう」
「言ったな」
「女に二言はありません」
そう宣言した指揮官は続ける。
「もちろん二人でね」