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3th. Feb 2023

ガーネット、ラピスラズリ、サファイア、ルビー、ダイアモンド……どれも美しい。宝石を見ている時、宝石に触れている時だけは心から幸せだと思える。──ああ、一生こうしていたい。
だがまだ足りない。部屋が宝石で埋もれても、俺は足りないともらすのだろう。これが穴の空いたバケツってやつか?だが別に満たされた心が穴から零れるわけじゃない。ただ欲求が日々増幅しているだけ。足りない、足りない。一度でいいから満足感という幸せとお目にかかりたい。
「船長! 海賊船が来てるけど!」
海賊船? 海賊船なら宝石はおよそ持っていないだろうし襲撃の必要は……だがふと思い立って、ジウを押しのけ扉の外に出た。船の名前はたしか──アヴェマール号。大した船長だった覚えもない。脅す必要すらないだろう。だが運命が「襲撃しろ」と囁いている。
へえ? 面白い。あんなちっぽけな船がいったいどんな運命を俺にもたらしてくれるのだろう。幸か不幸か、生か死か──まあ、この俺が死も不幸も奉献されたことなぞ、アネモラルが落ちた回数より少ないのだが。






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