遊星たちは、初戦で優勝候補のユニコーンに勝ち見事に次の試合への切符を手に入れた。
観戦席でカーリーちゃんたちと一緒にハラハラしながら応援して、無事に勝てたからいいものの手に汗握る展開だった。
「遊星がアキさんにスターダストドラゴンを渡していたのは驚いたよね」
「たしかに……遊星だから思いついた作戦よね」
初戦の高揚感を引きずりつつ、ブルーノと共に買い出しと言う名のデートに出ている。
試合に出たメンバーには出来るだけ休んで欲しいと言う配慮だ。
(ジャックはいつも休んでる気がするけど……)
あとはブルーノは放って置くとずっとDホイールを弄っているからどうにかして連れ出せと、クロウに言われた。
「ブルーノもお疲れさま、だね」
「なまえも応援ありがとう」
2人で笑いあって街を歩く。
遊星達が無事に勝ち進んで、こうやってブルーノと試合の話をしながら買い物なんかして……こんな幸せな日々が続けばいいのに。
「ただいま〜」
「おかえり」
一通りの買い物を終えて、荷物を置きにポッポタイムに戻ると遊星はデッキの調整をしていた。
休めって言ったのに……と思ったけれど、夜通しDホイールのメンテナンスされるよりはマシかな。
「……そういえば、前にブルーノがなまえのDホイールが見たいと言っていたが、ちょうどいい機会だしブルーノを連れてマーサハウスに行ったらどうだ?」
ちょうど調整にキリがついたのか、遊星がそんな事を言う。
「あ、そうだ。写真があるんだよね?」
「え」
「ダメかな?」
「ダメじゃないけど……」
ダメではないけれど、好きな人に昔の写真(黒歴史)を見られるというのは些か気恥ずかしい。
それにマーサの事だから、張り切っていろんな昔の写真を引っ張り出してくる気がする。
「なまえ……」
「う、わ、わかったわよ」
少しだけ渋ってみたものの、ブルーノのお願い攻撃に屈した。
何でこの人こんなに可愛いんだろう。
惚れた弱み?痘痕も靨?
ううん、この人は元々可愛いのだ。
ブルーノのDホイールに2人で乗り込み、私の道案内でマーサハウスに向かう。
1人用のDホイールだから狭いには狭いのだけれど、乗れないこともない。
「なまえは人の運転するDホイールに乗るのは平気なんだね」
「うーん、そうかも。でもジャックのは怖い」
「それはわかるかも」
「ブルーノの運転は安定して安心するなぁ、記憶が無くなる前はDホイーラーだったりして」
「うーん、どうだろう」
「記憶、早く戻るといいね」
ブルーノの背中に回した手に力を入れる。
記憶が戻ったらブルーノはどうするんだろう。
やっぱり、何処かに行ってしまったら嫌だなぁ……。
だからと言って、記憶が戻らないってのも彼は不安だろうし。
ううん、記憶が戻った時どうするかは一緒に考えるって言ったんだもの、私が弱気になってたらダメだよね。
「マーサ、ただいま!」
「うわ!!なまえ姉が彼氏連れてる!!!!!」
「え!?嘘だよ!!なまえ姉に彼氏なんかできるわけない!!」
「あんた達うるさい!!ほら散った散った!解散!」
マーサハウスに戻ると子供達が騒がしく出迎えてくれた。
子供達はブルーノの存在にきゃあきゃあと色めき立つ。
「ごめんね、うるさくて」
「あはは、元気なのは良いことだよ」
ドタドタと子供達が逃げるのと入れ替わりにマーサが玄関にやってくる。
「なまえ帰ってくるのが早いじゃないか、そちらの方は?」
「彼はブルーノ、チーム5Dsのメカニックなの」
「こんにちは」
「ああ!遊星達から話は聞いてるよ!なんでも天才らしいじゃないか!!」
「いえ、そんな」
立ち話もなんだからとリビングに向かう。
騒いでいた子供達もチーム5Dsのメカニックに興味があるらしく扉の向こうから様子を伺っている。
「それで今日はどうしたんだい?」
「なまえが昔乗っていたDホイールの写真があると聞いたので……」
「ああ、あの写真かい!ついでにあの子たちの子供の頃の写真も見るだろう?」
「是非!」
遊星達の写真は良いとしても自身の幼い頃の黒歴史(ジャックと喧嘩してる所の写真とか)をブルーノに見せまいとスタンバイしていたら、お茶を入れて来いとマーサに言われキッチンに追いやられた。
マーサには、恋人の事をちゃんと言っていないけれど恐らく気が付いてるだろうなぁ……。
(20200108)
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