海のない島











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「大丈夫ですか?」







掠れたような声がした。男の人だろうか。

ただ精一杯顔を上げても、見えるのは黒い靴だけで。

蒸し暑いホームのコンクリートが近いせいで、立っている時よりも暑い気がする。






「大丈夫、です。すみません」






緑や黄色や訳の分からないモザイクのようなもので、視界のほとんどがまだ遮られている。貧血の症状だ。

昔から貧血がひどくて、鉄剤を飲んでいてもなかなか改善しないのだ。時々こうして立ち眩みに襲われる。






「間もなく、2番線に電車が到着します…」






ホームに電車の到着アナウンスが響き渡って、このままここにしゃがみ込んでいては邪魔になると思って立ち上がった。




「……っ、」




だめだった。ぐらり、と視界が揺れて。


「うわ、ちょっと!」



またあの掠れた声。やけに慌てていた。




その声を最後に耳にして、わたしは意識を失った。





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