※坂田短編「やっぱり、すき」の夢主と沖田君。


「はぁ…」

「じゅうはーち」

「な、なに?」

「溜め息、今ので18回目でさァ」

「いや、いちいち数えないでよ」

「だったら溜め息ばっかつくんじゃねェ。陰気くせぇったらありゃしねぇ」

「失恋して傷付いてるんだから少しは優しくして!」

「自分から別れ話切り出しといて、傷付くもくそもねーだろ」

「そ、そうだけど…」

「俺がわざわざ付き合ってやってんでィ、ちったァ楽しく呑みやがれ」

「はい、すみません」

「大将鬼嫁おかわりー」
「あいよー!」

「あー、どうやったら銀ちゃんと寄り戻せるのかなぁ…」

「旦那をちょいと酔わせてささっとナニ咥えりゃ、すぐに元通りですぜ」

「いや、なんか違うんだけど…」

「なんなら俺が協力してやろーか?」

「えっ、いいの?」

「その代わり、お礼はたんまり頂きやすぜ?」

「勿論ッ!!」

「つーわけで、取り敢えず呑みなせェ。大将鬼嫁もうひとつ追加でー」
「あいよー!」


―――翌朝―――――


「んー…」

「おはようございまさァ」

「ん、おはよう……って、えェェエエ!?」

「耳元で大声出すな、鼓膜破れんだろ」

「あ、すみません…じゃなくて、なんで沖田君がいるの?てか、裸ッ!見えてるから隠してェェ!」

「いや名前、アンタも真っ裸ですぜェ」

「ギャーッ!!」

「しかし、流石旦那の元カノ。想像以上のドM具合でした」

「えっ…えっと、それって、まさか…」

「そのまさかでさァ」

「………」

「なんでィ、覚えてねぇのか?」

「な、なにも、覚えて、マセン…」

「はぁ、だからあんま呑み過ぎんなっつっただろォ」

「言われた事すら覚えてません…」

「仕方ねェ、もう一回シてやるから今度は忘れんな」

「えっ?い、いや、結構ですッ!」

「アンタに拒否権なんてあるわけねーだろ」

「や、ちょっ、離して!誰か助けて、お巡りさーんッ!!」

「お巡りさんならアンタの目の前に居やすぜィ、名前」

「あ、そうだった。って、やっ、やめてェェ!」



タダで得られるものはない

(協力するからにはお礼は貰わねぇとなァ、勿論先払いで。)

20171231


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