今一度、微睡みを(アルフレッド)



微睡みの中にいたんだと思う。
酷く酷く眠たくて、呼吸もできないくらいに渇いてて。瞼に張り付いた夢うつつの像は悲しいほどに曖昧で。一面を飛び交う羽根が、俺の体の奥底から実態を伴って姿を見せる。
痛いよ。痛いんだ。痛くて痛くて、涙が出てしまいそうだ。
けれど、そう。『俺』は涙を流さなかった。痛みを痛みとして理解できなかった。覚えていないからなのか、不必要だと切り捨ててしまったのか。

「――……」

君の名前はなんだったかな。あの温かい手のひらは、もう触れることはできないのかな。ねえ、助けてーー。
微睡みの中で羽根を吐く。呼吸を忘れた俺は、ただひたすらに足掻くだけしか出来なかった。

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