寒空の星(アーサー×キク)



神様になったアーサーさんと、彼の従者として生きたキクの話

* * *

寒空の下、外套すら羽織り忘れて星を見たいと外へ出た。部屋には眠る彼。走り書きした少し出てきます、は果たして共用語で書いただろうか。
砂利を蹴りながら緩やかに歩き、空を見上げながら広場へと。爛々と輝く星は、目の奥がつんとする程に綺麗で。吐き出した吐息が白く濁り、消えていく。
寒さには滅法弱い自覚はあるがこうやって歩くのは嫌いではないのだ。

「……顔が、見たいですね」

たった数分しか経ってないのに、無性にアーサーさんの顔が見たくなった。優しくて、温かな彼を、抱き締めたくなった。
踵を返し部屋へと転がり込む。程よく暖まった空気が心地好い。ぶるりと体を震わせ、冷えた指先で彼の眠る寝具の毛布を掛け直す。
あどけない寝顔が、泣きたくなる程愛おしい。そっと瞼にキスを落とし、寝顔を眺める。
次第に揺れる意識は、安心から来る眠りだと知っていた。

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