真実の幸せ(フェリシアーノ+ラウラ)



扉を開け、数秒。硬直して、ああ自分は何も見ていないと念じながら扉を閉めた。

(え、え、え、えええええ!?)

看病するからとボスの部屋へ向かったふたりに、明日の朝食はどうするか聞きに来たが彼女の心境はまさに「どうしてこうなった」だ。
意を決して薄く扉を開き、中を覗き込むと案の定先程と変わらない光景。ボスであるロヴィーノの大きいベッドで寄り添って眠るボスと同僚であるアントーニョの姿が相も変わらずそこにはある。

「ラウラ姉ちゃん?」
「ひょわあ!!」

突如声を掛けられて飛び上がり、勢いよく振り向くとそこにいたのは眠そうに目をこするフェリシアーノ。彼の部屋の前で別れたはずだが、どうやらこちらまで戻ってきたようだ。

「兄ちゃん、よくなった?」
「あ、あー……多分よくなってると思うよ?」

彼にどう説明しようかと思考を激しく巡らすと、フェリシアーノの目がぱちぱちと瞬く。数秒の沈黙。はっと扉を振り返ると、自分で薄く開けたそこがまだ開いていた。

「……幸せそう」

不意にそう紡がれた声に、へ、と声を漏らす。フェリシアーノの表情は嬉しそうで、喜びに満ち溢れているような、優しい色をしていた。

「俺、兄ちゃんが幸せだと嬉しいよ」
「ウチもボスが……ううん、ロヴィーノ君が幸せそうなの見てるとほっこりするわ」

小さな体に乗せられた重圧を、部下に、最愛の人に癒してもらえるのなら。そんな風に願わずにはいられなかった。

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