秘め事



下から溢れ出るような、耳を塞ぎたくなる水音。
飲み込んだ筈の悲鳴は自分でも背筋が震えそうになる程に甘く、聞く人によっては媚のように聞こえる嬌声へと姿を変えていた。
灼けるほどに熱くて、思考回路が焼き切れてしまいそうになる。もっと、と叫んでしまいそうになる。

かたり、かつり、音がした。

外だ。この向こうの廊下に誰かいる。ひくりと鳴った喉に対して背後を陣取る奴は楽しそうに笑っていた。
この野郎、そういう感情を籠めて睨みつけてやったはずなのに、歯牙にも掛けないその表情。
……ああ、凄く憎たらしくて愛おしい!

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