遅疑
いつまで経っても上達しない自分が憎い。
口が小さい事を言い訳にしたところで、目の前の怒張したソレを飲み込むには顎を外してしまわないといけないくらいなのだから。
意を決して舌先でつつけば、聞こえるのはキュート、と忍び笑う声。少しむっとしてぺろりと舐めてみる。
精の苦みと青臭さが鼻を突き刺すが、彼の興奮の証だと思うと不思議と嫌な気分はしない。飴を舐めるように何度も何度も舐めて、その顔を盗み見た。気持ち良さというよりも、何か違う顔。
ああ、多分これは気持ちいいとは思っていなさそうだと客観的な自分が溜息を吐く。
如何すればいいのだろう、なんて生娘のような発言は出来ない。
限界まで口を開けて、彼の欲望を咥えてみた。ああ、大きい。顎が痛い。
がこり、と嫌な音が聞こえた気もするが、知ったものか。生理的に滲んだ涙が落ちないように目尻に力を入れて、じゅっと小さく吸ってみる。
落ちる髪が邪魔で耳に掛け、拙い舌技を披露しても、矢張り彼の唇は薄く笑みを浮かべていて。
勝てる気がしない。気持ちいいですか、なんて聞ける気がしない。その興奮は下手で感じているのでしょう?
根本的な負けを認めて咽込まないように、下手糞な口淫を続けるのだった。
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