Hello, My deary.



「うん、うん。OK,帰りは多分週明けになると思うから」

この会話も何度目だろう。電話を切る直前に『楽しんできてくださいね、祖国』なんて秘書に言われたら、ああバレてるなーとは察しが付く。
俺だってその辺は流石に空気は読める男だ。ガールフレンドだっていたし。
ボストンバッグに荷物を詰めて飛行機に飛び乗る。
ロスからパリは馬鹿みたいに時間が掛かるから、飛行機に乗ったことだけLINEで送って目を閉じた。
早く着けばいいのに。早くどこでも行けるドアが現実に出来ればいいのに。ティーンみたいなちゃちな悩みはぐるぐる回る。
雲の上を泳ぐ。一度だけ目を開け、窓から海を見下ろして、欠伸をひとつ。
もう兄弟は着いてるらしい。俺も早くいきたいな。ちょっと前まではこんな風に思わなかったのに。

「うん、やっぱりLOVEは素晴らしいね」

自由に泳ぐ。愛を泳ぐ。空は何処までも、青かった。

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