君の言葉
「フランス語?」
きょとりと目を瞬かせる兄弟の視線から逃げるように小さく頷く。
彼は何かを察したのか苦笑してメモとペンを取り出した。そして文法を書き出そうとしたその手を慌てて制止する。
「単語だけでいいんだ」
「話したい訳じゃないの?」
もう一度頷く。
話したくないのかと聞かれると一瞬悩んでしまうけど、今回の目的はそこじゃない。
「幸せ、あと翼って単語だけ教えてくれるかい?」
「発音は?」
「……英語っぽく教えてくれると助かるね」
これは最後のプライドの問題だ。
もごもご呟けば、察した兄弟は笑っていた。
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