踊れや、踊れ



鉛玉の飛び交う戦禍に、その身一つで躍り出ていた。黒い煙、吹き上がる炎の竜巻、頬を掠める銃弾を弾き返して、前へと奔る。
いったいいつになれば、終わるのだろう。
いったいいつになれば、赦されるのだろう。
終われない悲劇を見据えて走り続け、時に、吼え。まるで獣のように特攻しては、命のある生を只管に嘆いた。終わってしまえば、楽になれるのに。

「お久し振りです」
「相変わらずだな」

崖の上にいる貴方とだけは、会いたくなかった。
今の私はきちんと貴方を憎めていますか。きちんと殺意を込めて貴方を睨めていますか。泣きたい心を封じて、きちんと貴方と、戦えるのでしょうか。ぎちぎちと嫌な音を立てて軋む心臓の音は、聞こえていないですか。
なんともまあ、確認作業の多いこと。
ねえ、イギリスさん。

「なんで、そんなに悔しそうな顔をしているんですか」

爆風に呑み込まれた声は、ついぞ相手に届くことはなかった。

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