甘く熔けた
耳に届くのは甘ったるい湿った音。ぴちゃ、ぺちゃ、擬音にするならこんなだろうか。痺れてぼうっとし始めた思考の端で考えてみた。
けれどそれもあっさりとすべて掻き消える。指を余すところなく食べられる。うっとりするくらい甘い笑みを浮かべて、唾液で濡れた指が唇の間に消えていく。
指が性感帯になり得るということは知っている。けど、まさか自分に当てはまる日が来るなんて思わなかった。
彼の舌が俺の指を嬲る度に腹の奥がきゅっと切なく悲鳴をあげる。ここ以上の快感がほしくて堪らない。奥を突いてほしくて堪らない。
はっはと荒くなる息に、目の前の瞳が細くなる。
欲しい?
そう言いたげな目だ。理性なんてとっくに奪われてる。欲しいのは君が与えてくれる目が眩みそうな快楽だ。
何度も頷き切れ切れな声で囁いた。
「おねがい、きみが、ほしいんだ」
きっと今の俺の顔は酷いことになっているんだろう。けどそんなことよりも、欲しくて疼きが止まらない。
何かを発する前に押し倒される。散々嬲られた指は濡れてふやけ、シーツの海に呑まれた。靄が掛かる思考回路の目の前でアイリスの瞳がうっそりと蕩けた。そのまま俺の腹を撫でて押し、また俺を絶頂へ向かわせる。
閃光が弾けて犬のように喘いだ先に、強烈すぎる快楽が待っていた。
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