クトゥルフしようぜ!

クトゥルフTRPG二次創作 2016/5/9
アントーニョ、農家(ひかるさん)
マシュー、高校教師(おぼろ)

*
5/9

【ある日の休日の事。天気もいいのでマシューは参考書を片手に散歩へ出ることにした。風がさわさわと鳴る、穏やかな気候。彼は少し目を細めて歩を進めると、近くの広場から威勢のいい声が聞こえてきた。
何だろうか、そう思って広場に足を踏み入れるとそこには野菜市と書かれた看板。
どうやらこの辺の農家たちが精を出した野菜を、ここで披露して販売しているのだろう。マシューは予定もないので、中へ向かう。少し歩くと、ひとつのブースが目に留まった。
“美味しいトマト”と書かれたそこにいるのは褐色肌が目に眩しい長身の、とても見目麗しい男性だ。彼もまた、威勢のいい声で呼び込みをしているではないか。】

「あのー、トマト……屋さんですか?」
マシュー:取り敢えず声を掛けるね

「さあさあ、みんな寄っててやー!ごっつい美味いトマトやでー!」
アントーニョ:と呼び込みしとって「ん?せやで!俺はトマト売り専門やで!!」とマシューに応えるで!

「トマト専門……わあ、でもすごくきれいな色ですね……!あ、ひとついただけませんか?」
マシュー:お財布を取り出して、アントーニョさんのお店のトマトを一つ持ち上げます

「お、買ってくれるん?せやろせやろ、みんな別嬪さんやろ?親分の愛情たっくさん注いでるからなー」
アントーニョ:褒められてごっついテンション上がってるで!

「お昼ご飯、ちょうどサンドイッチなんで。一緒に食べようかなって……トマトって、こんなに重たかったっけ……?」
マシュー:多分うま味とかが凝縮されてるんだよね、市販のトマトとの違いにびっくりするかな

「そりゃ、愛情こもってるさかいにこの子達も重いんやで!うちのトマトはそのまま食うても旨いからなー」
「えっ、そのままでも食べれるの?……わあ、僕、ちょっとだけトマトって苦手だからすごいなあ……!」
「食えるでー!そこいらの子達とうちのトマト達を一緒にしたらあかん!甘くてみずみずしくて食べたらほっぺた落ちること間違いなしやで!!」
「じゃ、じゃあバンズに挟まないで食べてみようかな……あ、僕はマシュー。マシュー・ウィリアムズです。あと、お代はこれで」
「俺はアントーニョ・カリエド・フェルナンデスやで!おおきになー。あ、これお近付きにトマト1個サービスな!」
「アントーニョさんですね。ああっ、そんな気を遣わなくていいのに……!で、でも……いただきます!(スペースの隣に腰掛けて一口頬張り)……!!!お、おいしい……!!」
「せやろせやろ?トマト嫌いや言う人も親分のトマト食うとみんなそないな風に旨い!って言うてくれんねんでー!」

アントーニョ:褒められて満足気やで!

「うん、これはすごいよ……!だって、あの独特な匂いとか、酸っぱさがないんだもの……!甘いんだ、果物みたい……!!」
マシュー:目がキラキラしてるよ。

「トマトは本来甘味が強いからなあ。市販で売ってるのが早くに収穫するのもあって酸っぱいさかい、苦手な子もおるんよ。嘆かわしい現実やんな」
アントーニョ:うんうんと頷くで。

「へー、初めて聞いたよ……。僕、生物の教師しているのにまだ知らないことが多いなあ……」
「えー、自分せんせいやったんかいな!すごいやん、俺は頭悪いから羨ましいわー!親分も頭良かったらもっとトマトの気持ちなれるんかなあ」

アントーニョ:素直に先生と言うことに尊敬するわ。

「うん。一駅先の高校で、生物の教師をやってるんだ。……あ、頭は良くても植物とはお話しできない、かなあ……」
マシュー:予想外の言葉にどう反応していいのかわかってないね……。

「へー生物かー!せやったら生物のせんせいやったら動物とは話できるん?」
アントーニョ:おめめキラキラ輝かせながら聞くで!

「ははは……流石に喋れないかなあ。でも何となく、気持ちを察するのは楽しいかも。生き物って、とっても純粋だから」
マシュー:トマトを食べながら嬉しそうに答えるよ。

「純粋かー。その純粋な生き物の虫さんがよお親分のトマトを食べてしまうの、どうにかしたいんやけどなー」
アントーニョ:そう言いながらマシューの横に座ろ。

「うーん、無農薬だと虫ってどうしてもついて回っちゃうからね……虫たちも悪気があってじゃないんだよ?……あ、よかったらどうぞ」
マシュー:トマトのお礼に持ってきたサンドイッチをひとつ、渡すね。

「まあ親分のトマト旨いから虫さんも食べたくなる気持ちはわかるんやけどなー。そのくらいうちの子はみんな魅力的やっちゅーことやんなあ。(サンドイッチ貰って)え、くれるん?おおきに!」
アントーニョ:そう言ってさっそくもぐもぐするでー。

「うん、これは本能的に食べたくなっちゃうよ……!あっ、もしよかったらまた次回も買いたいけど……連絡先とか、教えてもらってもいいかな?」
マシュー:多分アントーニョさんのトマト食べたらスーパーでは買えないよ……。

「ええよ!トマト食いたくなったら親分の畑来たらいつでも分けたるでー!…これでまた1人、俺のトマトの虜になってもうたな!!」
アントーニョ:俺(のトマト)なしで生きられん身体にさせてしまって堪忍やで!

「えっ、いやっ、ちゃんとお金払います!隣人にもお裾分けしたいし、近々直売お願いしますね」
マシュー:わー、凄く語弊を生みそうな発言……うん、間違いじゃないけど。

「えー、ええのに。(頬をふくらませて)お隣さんにも食べてもらえるん?せやったらお隣さんも喜んでもらえるもんあげなあかんよな!」
アントーニョ:アントーニョは儲けとか気にしてへんからなー。トマトの良さが分かればええねん。

「だって、美味しいものにはそれに見合った対価が必要ですから……あっ、お金がダメなら勉強でもなんでも!きっと隣人も喜んでくれますから」
マシュー:凄く生活できるのか不安ですね……

「おおきにな!けど親分、勉強は苦手やからそこは勘弁かなー」
アントーニョ:あははーと笑いながら頬をかくでー。

「あはは、苦手な人は本当に勉強って嫌がりますよね。懐かしいなー……」
マシュー:トマトも食べ終わったしサンドイッチをもぐもぐ、と。

「親分は机に向かってるとすぐ眠くなるから、本とか見てたらそれこそすぐ寝付いてまうんよなあ。それに身体動かす方が性に合うねん。」
アントーニョ:自分のトマトをがぶりと齧るわ。

「うん、兄弟も同じこと言ってた。……勉強なんてしなくても生きれるんだぞ!って……アントーニョさん、本当に似てるから親近感沸くなあ……」
「俺もその兄弟さんとは今ごっつい親近感感じたで。あ、親分は血の繋がった兄弟はおらんけどかわいい子分はおるねんで!」

アントーニョ:ごそごそとポケット探るで。

「仲良くなれると思うよ……!今度母国に帰ったらアントーニョさんのこと話しておくね。可愛い子分?農家の手伝いさんかな?」
「お、あったあった。(写真を取り出して)この親分と肩組んでる子でな、ロヴィーノって言うねん。コックさんやったかな?かわええやろ?」

アントーニョ:得意げに話すでー。

「ロヴィーノ君。……ふふ、初めまして、マシューです。(写真にぺこりと挨拶をして)コックさん……あ、ってことはこのお店に卸してるの?」
マシュー:さっきのトマトが美味しい料理になってお店に出てるかもってワクワクしているね。

「せやで!ロヴィーノが親分の子達を美味しく仕上げてくれるねん。あいつのパスタとか絶品やねんで!今度マシューせんせいにも教えたるわな!」
アントーニョ:ロマーノ!ちゃんと店の宣伝したからなー!!

「ふむふむ……じゃあ今度このお店にも行ってみよう……!生でも美味しいのに料理になったらもっと美味しいよね……!……あ、の……マシューでいいよ……」
マシュー:あはは、ちゃんと宣伝されちゃった。

「うんうん、きっと食うたらもっとうちの子の虜になるで!!あ、ええの?じゃあマシューって呼ぶな!改めて、よろしゅうな!」
アントーニョ:マシューの手を握って握手するわ!

「わっ、わっ!よ、よろしくね……アントーニョさん。」
マシュー:びっくりしてるけどお友達になれたから嬉しいって顔ですね。

「へへへー!せや!お近づきのシルシに親分が情熱のフラメンコ見せたるわ!」
アントーニョ:アントーニョは立ち上がってちょっと空いてるスペース使うてフラメンコ踊るでー!

アントーニョ:ダンス判定やでー(芸術:ダンス)
  1D100 = [32] = 32 <=45 <成功>

「!?わあ、本場のフラメンコだ……!」
「Gracias!(タップを鳴らした後に軽くお辞儀)ここにギターとかあったらもっとさまにはなるんやけどなー」
「ギターも使うんだ……!凄い、僕って芸術とか全然わからなくて……わー……すごい……」
「たまーに、ロヴィーノの店とかでも踊ってんねんで。ほら、専用のカスタネットもいつも持っとるし」

アントーニョ:カスタネット鳴らして得意げに見せるで!

「その日に行った人はあたりですね……!アントーニョさん、背も高いし格好いいから女性のお客さん、嬉しくて常連になっちゃいますね」
マシュー:ぱちぱちと拍手しながら答えます。

「へー、そうなん?女の子にちやはほやされるのも嫌いやないけど、親分はフラメンコ目当てやなくてトマト食うて欲しいんやけどなー」
アントーニョ:うーんと腕組みながら唸るわ。

「目的は違えど、足繁く通うことで気付く魅力がある。……そんな感じですよ、だってアントーニョさんのトマト、とっても美味しいですから」
マシュー:つまり、最初はアントーニョさんが目当てでも最終的にトマトに行きつくんですね。

「そうかー、そやったらええねんけどなー!俺の可愛こちゃんの魅力をもっと知ってもらうだけでそれでええねん。親分の夢は世界中にトマトの良さを知ってもらうことやからなあ!!」
「わあ、夢が大きい……!……ん?あれ?ってことは、ほかの国にも行く予定ですか?」
「そのつもり…やったねんけどなー。日本住み心地良すぎて長居してるとこやねんよなあ。まあ、いつかは日本から離れるつもりやで!」
「そっか……あっ、でもまだ日本にいるんですよね!その間はたくさん、トマト買います……!あと、カナダにもぜひ……来てくださいね!」
「おう!たーんと親分のトマト食べたってな!おお、カナダ!行ってみたいわ!!なんやったら親分の故郷のスペインも1度は遊びに来ってな!」
「スペインかあ……語学留学を兼ねて、長期休暇で行きたいなあ……ふふ。そしたら本場のフラメンコ、たくさん見れますね」
「フラメンコも闘牛も観放題やで!それになによりトマトが旨い!!楽園やんなあ!」
「あっ、僕闘牛見てみたいんです!テレビ番組とかでは見たことあるけど、本物はやっぱり迫力があるんだろうなあ……」
「迫力あるってもんやないで!牛さんごっついぐわあってやってくるし、マタドールがばさあってマント振って、ふわりとやってなあ!もう、ともかく最高なんよ!」

アントーニョ:興奮した様子で語るで。

「わああ……!あ、アントーニョさん、もし次回スペインに戻る機会があったら……ど、同行していいですか……!!」
マシュー:マシューは引き込まれてるね。

「もちろん!よっしゃ、親分がスペインのええとこ、余すとこなく教えたるわな!」
アントーニョ:スペインええとこ1度はおいで!

「うん!うん!凄い、僕……こんなに行ってみたいって思ったの初めてだよ……!」
マシュー:か、カナダもいいとこだよ?

「それはきっとこのトマトのリコピンのおかげやんな!リコピンの力でマシューは今スペインに行きたくなっとんねんなー」
アントーニョ:親分、カナダ産のメープルをチュロスにかけたいわー。

「リコピンってスペインとつながってるんだね……!トマトたくさん食べたら、スペイン人に近づくかな?」
マシュー:メイプルチュロス……!国を超えた美味しい組み合わせ……だね!

「繋がるんとちゃう?情熱的にかつ陽気になれるで!!…たまにシエスタは必要なるけどなあ」
アントーニョ:お、今度やってみーへん?絶対うまいやんなあ!!

「明るい人になりたいから、アントーニョさんを参考にすればいいのかな?なんて、ふふ」
マシュー:うん!ぜひお願いしたいよ……!極上のメイプル、吟味するね……!

「お、親分参考にするん?なんや照れるけどええで!そうなるとマシューも今日から俺の子分やんな!おっしゃ、任せとき!」
アントーニョ:親分もさいっこうのチュロス作ってくるわー!

「へへ、思わぬところでお師匠さんが見つかったね……アントーニョさんはやっぱり凄いや」
マシュー:とろとろのメイプルとあつあつのチュロス……わあ、想像するだけでよだれが出そうだよ……!

「そうかそうか、トマトもう1個食う?」
アントーニョ:嬉しくてトマトもう1個あげるなー。

「わわっ、いいんですか?えへ、ありがとうございます……」
マシュー:トマトもう一つゲットです、へへへ。

× 




ALICE+