キク(PL:日本)




「……各員警戒を怠るな。最悪の事態を考えなさい」
「だからなんだ!私はアーサーさんを護るっ!!この命に代えてもッ!!!」

「我が命、貴方様に捧げさせてください。……この命は、貴方を未来永劫守る盾。この刀は、貴方を未来永劫守る刃」


* * *

キク(Kiku)

<戦闘技能>
○トレジャーハント
 →戦利品ロール+1
○ファストアクション
 →戦闘1R目、先制の場合主動作を2回行う
○両手利き
 →同一対象に攻撃可能、命中-2、必要筋力15以下
○必殺攻撃
 →近接攻撃C値-1(最低8)、回避-2
○二刀流
 →両手利き前提、命中ペナルティなし
○命中強化
 →命中+1
○かばう
 →1R1回1PCのダメージを肩代わり、自動命中
○命中強化U
 →命中強化前提、命中+1

プレイヤー:日本
種族:ナイトメア(エルフ生まれ)
主技能:フェンサー、スカウト
年齢:??歳 身長:165cm

* * *
黒き二刀流の少年
私が彼を初めて見た時、その剣技に目を奪われたのをよく覚えている。
まるで木の葉がひらりひらりと落ちていくよう、美しくもしなやかな動き。追随するように振るわれる、二振りの刃。
そう、彼は二刀流と呼ばれる剣士なのだろう。誰よりも速く戦場を駆け抜け、誰よりもその刃を敵に叩き付ける。
遠くで観察していたが、彼は恐らく天才ではない。ただの凡才が血の滲む努力をして手に入れた力が、手数を重視した美しくも熾烈なあの動きなのだ。

黒髪の彼を語るうえで、ひとつ気付いたことがある。
後に記すが、金髪の青年の存在だ。
彼は常に金髪の青年を庇うように立ち回り、守れぬと悔しそうに唇を噛み締める。まるで、自分の生きる意味が彼の青年であるように。

観察を続けるうちに笑わないと思っていた彼は、存外その青年の前ではくるくると表情が変わる。喜怒哀楽、全ての感情が集約されているように見えた。
だが、少し前まで彼には感情がないと思っていたが……それは私の観察不足だったのだろう。

* * *

ここからは私が観察した、対人関係についてを記そうと思う。

先の金髪の青年――名をアーサーと言うが、彼がこの街に来た頃は酷く折り合いが悪かった。何かにつけて言い合いになり、一触即発とはまさにあのことだっただろう。
しかし、あの日……ゴーレムが街を襲撃した後に、ふたりの関係が大きく変わったように思える。
例えるならばそう、主従の関係。神々しき神を讃えるようなそんな様子。私には理解出来なかったが、彼らに詳しい者に話を聞いたところ「そういうこと」だそうだ。……成程。

また、近寄りがたい彼だが可愛いものが好きなようだ。よくミアキスであるフェリシアーノやロヴィーノを膝に乗せて、撫でながらうとうととしている様子をギルドで見掛ける。ギャップが好きな者は、昼下がりにマリアリリィへ足を運ぶといいだろう。

他に特筆すべき点は、ギルドマスターであるフランソワに頭が上がらないことか。
先代からこのギルドの世話になっている彼は、マスターであるフランソワを実の娘のように可愛がっていて、珍しい程によく笑う。これも一つの発見だろう。

* * *

以上が、私が入手した冒険者・キクの情報である。




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