アーサー(PL:イギリス)




「…そうだ、これは……俺の問題、だ」
「大丈夫さ。だってキクはキクだろ?…ナイトメアでも何でもそれは変わらない。そうだろ?」

「きくっ、きく……っああああ!!」


* * *

アーサー(Arthur)

<戦闘技能>
○魔法誘導
 →魔法攻撃で誤射をしない
○武器習熟/ソード
 →ダメージ+1、Aランク武器装備可能
○マルチアクション
 →宣言後、移動制限を受けて近接攻撃と魔法を両方行使出来る
○魔力撃
 →近接攻撃ダメージ+魔力、回避・生命抵抗・精神抵抗-1
○魔力撃強化
 →魔力撃前提、魔力撃の命中に+知力、回避・生命抵抗・精神抵抗-2

プレイヤー:イギリス
種族:ハイマン
主技能:フェアリーテイマー、フェンサー
年齢:15歳 身長:172cm

* * *
光を導く妖精使い
私が一度だけ彼に声を掛けた時の印象は、酷く高圧的な少年といったところだろうか。
しかし戦闘を目の当たりにすれば印象はがらりと変わる。美しい妖精との連携に、力強い魔力の伴った剣の一閃。見事と言うに相応しく、妖精魔法と剣を駆使して戦う姿は惚れ惚れとしてしまう。
彼こそまさに天才なのだろう。神が与えたものはすべて正のもの。類稀なる才能を迸らせるその雄姿は、美しさの裏に猛々しさをも感じさせてくれる。

観察の途中で気が付いたのは、彼の纏う雰囲気がある日を境に変わったことだ。
それまでは後述する黒髪の少年といがみ合っていたのに、ぱたりと止んだ。それどころか、他者を気遣う優しく穏やかな青年になっていた。
彼に何があったのか、私は知る由もない。だが、この変化はよいものとして受け取っていいのだろう。

酷く優しく、自身を省みない彼の性格は長所であり短所だろうか。観察をしているが、私は彼が泣いているところを見たことはない。
それが良いのか悪いのか、これからも見守る必要がありそうだ。

* * *

ここからは私が観察した、対人関係についてを記そうと思う。

前述の通り黒髪の少年――名をキクと言うが、私が記憶している限りで彼とは酷く折り合いが悪く、顔を合わせれば罵倒ということが日常のように感じた。ギルドの隅で怒号が飛び交うのは当たり前だった、と言えば分かりやすいだろうか。
しかし、街を襲撃したゴーレムを撃退してからふたりの関係性は目を瞠るものに変わっていった。
お互いが慈しみ合い、互いを自らの一部だとでも言わんとばかりに寄り添う。あまりに急激な関係性の変化に私は言葉をなくしたが、彼らに詳しい者に話を聞いたところ「そういうこと」だそうだ。……成程。

噂では彼はよく体調を崩し、司祭であるルーカスのもとを訪ねるという。こっそりと調査したところ、睡眠不足や夢遊病を患っているとのことだ。最近はめっきりその回数が減っていると聞くが……真相は不明である。

* * *

以上が、私が入手した冒険者・アーサーの情報である。




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