「ああ、よかった……女性が傷つくなんて嫌だもの」
「だ、い、じょうぶ……僕だって、痛いのくらい……我慢しなきゃ……っ!」
「僕は人間だけど、僕のお友達は色んな種族がいて楽しいよ?へへっ、エルフにハイマン、ドワーフ……あっ、他にもいるなあ!」
* * *
マシュー(Matthew)
<戦闘技能>
○鋭い目
→戦利品ロール+1
○弱点看破
→魔物知識判定成功時、弱点ボーナス2倍
○武器習熟/スタッフ
→ダメージ+1、Aランク武器装備可能
○魔法誘導
→射撃魔法で誤射をしない
○MP軽減/ソーサラー
→消費MP-1(最低1)、拡大時は-1後に倍
○魔法拡大/数
→対象を拡大するごとにMP倍増
プレイヤー:カナダ
種族:人間
主技能:ソーサラー、セージ
年齢:19歳 身長:178cm
* * *
貪欲な魔術師
この街に、よく似ているのに全く正反対の双子がいるのはご存じだろうか。
その片割れこそが今回観察した少年である。深い知識を持ち、その知識を余すところなく発揮する魔術師である彼の魔法は目を瞠るものがある。
普段こそ女性を口説き軽薄に見えるが、戦闘中はまるで別人だ。愛用と思われる杖を媒体に幾重にも繰り出される魔術の波動は遠くで観察していても激しいことが窺い知れる。無論、失敗すると年相応に慌てふためく姿も確認済みである。
後述するが、彼の双子の兄弟が彼の人格形成に深く関わっていると推察される。
先程記述した通りに女性を見ると誰彼構わず口説きに行くが、それ以外では影のようにひっそりと聖堂内にある図書館に篭っている姿をよく目撃する。
魔術の研究だろうが、自己主張の強い兄弟とはまさに正反対だ。
どこにいてもそっとその場に収まる。きっと彼の魅力はそこにあるのだろう。
これからも、この街の笑顔に貢献してもらいたいものである。
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ここからは私が観察した、対人関係についてを記そうと思う。
双子の兄弟――名をアルフレッドと言うが、彼に振り回されている姿はこの街で過ごせば何度も見ることが出来るだろう。双子での連係プレーは素晴らしいの一言。何かと過保護に接されているがそれでも嫌がる素振りを見せない辺り、兄弟仲は良好だと推察する。
最近では、ギルベルトや司祭であるルーカスに構われているように思える。彼の性格故なのだろうか、見ていると非常に微笑ましい光景に思えてしまう。
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以上が、私が入手した冒険者・マシューの情報である。