ダブルクロスしようぜ!

【ロングチャット】

イギリス→アーサー・カークランド(ひかるさん)
日本→キク・ホンダ(おぼろ)
アメリカ→アルフレッド・F・ジョーンズ(おぼろ)
プロイセン→ギルベルト・バイルシュミット(ひかるさん)
カナダ→マシュー・ウィリアムズ(おぼろ)

ロシア→イヴァン・ブラギンスキ(おぼろ)
ウクライナ→ソフィヤ・ミシェルカ(ひかるさん)
フランス→フランシス・ボヌフォワ(ひかるさん)
ノルウェー→ルーカス・ボンネウィーク(ひかるさん)

*

【喫茶『プライベートアイ』】

「(からんからんと鳴り響くドアベルの方にグラスをクロスで拭きながら視線を移し)いらっしゃいませ」
「やあ、こんにちわ(ニコニコとしながら挨拶して扉を押さえ)……姉さん、どうぞ?」
「(そわそわと落ち着きない様子で店内を見渡し)ここが……イヴァンちゃんの行きつけのお店なのねえ。何だかドキドキしちゃうわあ(店内にゆっくりと足を踏み入れ)」
「いい雰囲気でしょ?結構気に入ってるんだ(そう言いながらいつもの席に歩いていくと椅子を引き)はい、ここが僕のお気に入りの席」
「まあ…テーブルも椅子も、それに周りにある調度品もとても素敵ねえ(店の雰囲気が好むものだったのか先程の緊張が解け始め目を輝かせながらも引かれた椅子の方へと腰掛ける)」

「……アルフレッド、仕事につけ(店の隅で同年代3人で固まっていた輪に声をかける)」
「うぇ?……あ、はいはーい!(ガタガタと椅子を片付けながらメニュー表を片手に客席に向かい)今日の紅茶はダージリン、ケーキはモンブランでーす」
「まあまあ。可愛らしい店員さんねえ(微笑ましそうにアルフレッドを見つめ)」
「へへ、お褒めに預かり光栄なんだぞ(わざとらしくお辞儀)」
「うふふ。じゃあいつもの紅茶をふたつと、今日のおすすめのケーキふたつ(ソフィヤの様子に嬉しそうに目を細めてアーサーの方を振り向き)」
「承りました(イヴァンに頭を下げると後ろの棚からカップとソーサーを取り出し)」

「ん?(アルフレッドの向かった先に顔を向けると見知った顔に目を見開き)…ミシェルカ、先生?」
「?ギルベルトさん、知り合いですか?(キッチンに戻ろうとしたがギルベルトの呟きに振り返り)」
「?…あら、ギルベルトちゃんじゃない!(ギルベルトを認識するとがたりと椅子から立ち上がり)」
「っす(どこか気まずそうに頭を下げるとマシューの方へと振り返り)うちのがっこの保健の先生」
「あ、学校の先生。……こんにちわ(ぺこりと頭を下げるとキッチンの方へと消えていく)」
「??(ソフィヤの反応に小首を傾げ)……姉さん、あの子のこと知ってるの?」
「(手をひらひらと振りながらゆっくりと腰を下ろし)ええ。私の務めてる学校の生徒なの」
「学校の生徒かあ……(ギルベルトの方を見据えると値踏みするように視線を巡らせ)」
「っ(視線を向けられていると気付くと遠慮がちに頭を軽く下げそそくさとカウンターの席へと移る)」
「あのね、トーリスちゃんとすごく仲良しさんなのよ。いつも見つめあってじゃれあってるの!」
「へえ、あのトーリスが。……珍しいこともあるんだねえ、ナターリヤくらいにしか心開いてないのに」
「でしょ?ギルベルトちゃんと居るとトーリスちゃんったら可愛いのよ。うんとね、なんて言うのかしら。えっと…(頬杖をついて真上のランプを見つめ)!そうそう、喧嘩するほど仲がいいの!」
「……素直にそれを喜んでいいのか、僕にはちょっと難しい問題だなあ(苦笑しながら肩を竦め)」

「(ソフィヤとイヴァンの会話に耳を傾けて目を閉じ)……ほう、喧嘩するほど仲の良いお友達が出来たのですね。ギルベルト君、好いことですよ」
「やめてくれって。あいつとはそんなんじゃねえっての(うんざりとした表情を隠さずに腕を組み)あれだよ、ほら。お互いがお互い気に食わない?」
「ふふ、そう来ましたか。ですが、本音を曝け出せることはいいことです。……君は溜め込んでしまう悪癖があるのですから、尚更(保護者の笑みを浮かべてギルベルトの頭を撫で)」
「べっ…!(不意打ちに撫でられたことで頬を朱に染めながら視線を逸らし)別に、溜め込んでなんか……(照れ隠しに唇を尖らし)」

「あ、あとね!ギルベルトちゃん、私達とお友達になれる子なの(嬉しそうに目を細め)」
「つまり、あの子が前に言ってた子なのかな?(同じように目を細めると声色が少し弾んだ様子に変わる)」
「そう、あの子。…嬉しいわあ。こんなすぐ側に私達のお友達がいるもの。早く、幸せを気付かせてあげなきゃ(うっとりとした表情で頬に手を添え)」
「僕も嬉しいよ。姉さんが、そんなにも嬉しそうにしてくれるんだもの。……ああ、きっとあの子もいい子だ。姉さんをこんなにも慶ばせてくれるんだから(とろりと綻ぶような笑みを浮かべ)」

「…………(紅茶をカップに注ぎながらイヴァン達を横目で見つめる)」
「……マスター?(アーサーの様子に気付いて振り返り、笑みを浮かべたままに目を細め)」
「(名前を呼ばれるとゆっくりと顔をキクの方へ向け)…『お客様』、紅茶のお代わりは如何でしょう」
「ええ、ではもう一杯。……『砂糖だけ』を頂けますか?(優しい笑みに切り替えて紙ナプキンを一枚取り出し)」
「かしこまりました。紅茶を蒸らしますので暫しお待ちください(紙ナプキンを受け取るとカウンターに背を向け)」
「??(2人の違和感のある会話を不思議そうに見つめ)」
「ふふ、ここの紅茶はやはり絶品ですねえ(ギルベルトの方を向いて自身の唇に指を当て)」
「!(理解したのか思わず自身の口を塞ぎながらこくこくと頷く)」

「アルフレッド、これは先程注文した2人組に(お盆に注文の品を載せると2人のテーブルの方へ顎を指し)」
「あーい、よ、っと!(お盆を器用に持つとバランスよく運び)……お待たせしました、ダージリンふたつとモンブランふたつでーす(言葉とは裏腹に丁寧な様子でアーサー仕込みの所作を披露しながらケーキと紅茶を並べる)」
「ありがとう可愛いウェイターさん(くすくすと手を添えて微笑みながら)……まあ、いい香りね」
「わあ、久し振りにケーキ注文したけど美味しそうだなあ。……んー、紅茶も相変わらず。マスターによろしく言っといてね(嬉しそうな様子で笑いながら)」
「はーい、確かに聞きましたー(ぱちんとウインクをするとカウンター席の方へと戻っていく)」

「淹れたての紅茶です。『冷めないうちに』どうぞ(キクの方へ紅茶と紙ナプキンを置く)」
「ふふ、ありがとうございます。いい香りですね(微笑みながらナプキンを受け取って一口飲み)……ああ、美味しい。『癖に』なりそうですね」
「お褒めに預かり光栄です。ああ、お客様。先程召し上がっていたケーキが口元についてますよ(紙ナプキンを使うよう促し)」
「おや、申し訳ございません。うっかりしておりまして(先程のナプキンで口元を拭うフリをすると細く光を吐き出してメッセージを書き)……済みませんが、処分していただいても?(紙ナプキンを差し出し)」
「構いませんよ(紙ナプキンを受け取るとカウンター下のダストボックスに入れる前に一瞬で光で描かれたメッセージを読み取り)」
「……(どうしよう2人の高度なやりとりについていけないという表情だがやり過ごすために既に水と化しているミックスジュースをストローで吸い)」
「アーサー、あっちのお客さんよろしく言っといてってさー!(戻ってくるなりギルベルトの隣にどっかり腰掛け)」
「ああ。あと座る時はゆっくり座れ(イヴァンの方へと頭を下げながら)」

「???(あまりにもよそよそしいふたりに首を傾げ)」
「……(ストローを噛みながらアルフレッドの方を向くと肩を竦める)」
「変なものでも食べたのかい、ふたり揃って(思わず真顔になってギルベルトの方を向き)」
「しらへえ…(グラスから口に咥えたままストローを出しながらカウンターに顎をつき)」

「(モンブランを1口口に放り込みながら)ところでねイヴァンちゃん。私ね、前にお友達を探した後の記憶が無いの。気が付いたらイヴァンちゃんにおんぶされてたのは覚えてるけど…」
「……ああ、あの時姉さんったら疲れちゃったんだよ。ぱったり眠っちゃったから、僕がおんぶして帰ったの(微笑んだままだが何処か思い出したくないという表情を一瞬だけ浮かべ)」
「まあ、そうだったの。…うーん、私そんなに疲れてたのかしら(首を傾げながら紅茶の表面に映る自分を眺め)」
「うん、そうだよ。……きっと今まで溜まってた疲れが一気に出ちゃったんだね。姉さんは働き者だから(本来の言葉に嘘を混ぜて微笑み)」
「もう、イヴァンちゃんったら。そんなに褒めても何も出ないんだから(はにかみながら向かいに座るイヴァンの頬を指で優しく突き)」
「うふふ、本音を言ったんだけどなあ(頬を突かれてふにゃりと優しい笑みを浮かべ)」

「(ドアベルを鳴らしながら慣れた足取りで店に入り)こんにちはー。いつものくれるかな?(アーサー達の方へウインク)」
「承りました(こくりと頷くとコーヒー豆の入った袋を取り出し)」
「……(紅茶を口に含むと顔を見られないようにと少し俯き加減に視線を逸らす)」

「ん?君は確かこの前お話したえっと…(イヴァン達の方へと歩み寄りながら顎に手を添えて思案)」
「あ、やあ。年齢詐欺の人(軽く手を挙げて挨拶を交わす)」
「年齢詐欺?(首を傾げ)」
「これで30超えてるんだってさ(フランシスを指差し)」
「ちょっとちょっとー。人聞きの悪い発言しないでよ(苦笑いを浮かべながら流れるように2人の席の隣の椅子に腰掛け)…っと、美しいマドモアゼル。俺は善良で健全な男だよ」
「はじめまして30超えた年齢詐欺さん(にこにこ)」
「………フランシスだよ、マドモアゼル(困ったように微笑み)」
「あ、そうそう。フランシス君。……って、あれ?前に名前聞いたっけ?徹夜明けで覚えてないや(首を傾げ)」
「いや、あの時はお互い自己紹介してなかったよね。…お名前、聞いてもいいかな?(柔らかな笑みを浮かべながら小首を傾げ)」
「僕はイヴァンだよ、よろしくねフランシス君(微笑みを浮かべているものの瞳の奥には氷を張ったような感情を凍り付かせた色がちらついている)」
「ソフィヤよ。イヴァンちゃんのお姉さんなの(警戒することなくふわふわとした雰囲気でフランシスに自己紹介して)」
「へえ、君があのシスコン対象のお姉さんかあ!失礼ながらあまり似てないね(2人を交互に見比べ)」
「シスコンなんて陳腐な言葉で片づけないで欲しいなあ。まあ、似ていないかもしれないけどね(肩を竦め)」
「似てなくても私とイヴァンちゃんは仲の良い姉弟よお?」
「ああ、失礼。2人で仲良くティータイムだなんて羨ましい限りだと思ってね。何せ俺も兄妹が居るからね」
「フランシス君にも兄妹いるんだ。似てる?(こてりと首を傾げ)」
「んー……顔はあまり似てないと言われるね。けど性格とか口調はそっくりだって(くすくすと思い出し笑い)」
「へー……兄妹はいると楽しいもんねえ。それに、とっても安らげる(目を閉じるとそっと息を吐き出し)」
「まあ気兼ねなく接する事が出来るのは確かだねえ。…そこのウェイター君もカウンターの子と兄弟かな?(注文の品を運ぶアルフレッドへ振り返り)」
「?(声を掛けられて振り返り)アーサーは俺の保護者だよ、血は繋がってないんだぞ」
「違う違う。さっきからケーキやらを取り出してるそこの男の子とだよ(にこにことマシューの方へと手を振り)」
「(手を振られたことに気付いて視線を上げ)僕ですか?そこの金髪……は、いっぱいいた……えっと、そこのウエイターの双子の兄弟です」
「双子ちゃん……ほわあ(双子ということが珍しいのかふたりを見比べ)」
「珍しいかい?俺たちはこれが普通だから気にしたことないけど(ソフィヤの視線に恥ずかしそうに頬を掻き)」
「双子の生まれる確率って低いからね。見た所学生さんに見えるけど働き者だねえ(にこにことふたりを見つめ)」
「あはは、ここに住ませてもらってる分、いっぱい働いて恩返ししないとですから(アーサーの方を見るとくすくすと小さめに笑い)」
「(ふうっと小さくため息をつき)お前の爪の垢をアルフレッドに煎じて呑ませたいものだな」
「俺には何も聞こえないナー(手を頭の後ろで組んで明後日の方向を見ながら口笛を吹き)」
「いやあ、それでも働いてるんだから偉い偉い。学生時代は遊びたい盛りなのにそうやって働いてるんだから凄いよね?(同意を求めるようにイヴァン達の方へと振り返り)」
「そうねえ。偉い偉い」
「……学生時代かあ。僕、何してたっけなあ(顎に指を添えて首を傾げるがその姿勢のまま)……うん、多分偉い」
「良かったなマシュー、アルフレッド。すげえ褒められてるぞ(茶化すような口調で)」
「えへへ……ありがとうございます(素直に嬉しがって恥ずかしいのか頬に朱色が差している)」
「じゃあ偉い俺は休憩時間が欲しいです!(挙手)」
「ほう。それは今日のお前がとっていた休憩時間を見つめた上での発言か(真顔)」
「ギクッ」
「相手が悪かったなアルフレッド(肩ポン)」
「ぐぬぬぬぬ……」
「ははは。これは一本取られたようだねアルフレッド君。…でもそうやって思ったことをちゃんと言い合える兄弟もいればそうでない兄弟もいるんだよねえ……やれやれ(前髪を耳にかけながら)」
「きょうだいの形は人それぞれだよ。……僕たちみたいに仲のいい兄弟もいれば、仲の良くない兄弟もいる。これは変えられない事実だからね(頬杖をつき)」
「フランシスちゃんは兄妹さんとあまり話せてないの?」
「いやあ、俺は兄妹仲は良好だよ?ほら、前に俺とここに来た翻訳家の子。あの子が兄弟となかなかすれ違っててねー」
「まあ、大変ねえ。その翻訳家の子(特に気にもとめない様子で)」
「……ふーん、そうなんだ。でも、僕らには関係ない話かなあ(瞳の奥の憎悪の色が濃くなっていく)」
「ねー。お互い口下手だから仕方ないんだけどねえ。…ま、兄弟間ってほら、何かと言葉足らずってない?兄弟だから通じるって安心感からもあるけどねえ」
「僕と姉さんの間には言葉なんて必要ないし、僕と妹の間にも言葉なんて必要ないよ。そこにふたりが在る、それだけが重要だからね(頬杖をついたまま冷め切った瞳でフランシスを見つめ)」
「君達は絆が深いんだねえ!君達のように仲の良い兄妹ならそりゃ言葉はいらないのかもしれないねえ(頬杖をついてお冷の入ったグラスを回しながら)でも君達のように仲の良い兄妹はなかなかに居ないだろうねえ」
「うふふ、僕は世界で一番恵まれている弟で、兄だから。……ふたりがいる世界に、僕がいるだけで満たされるんだから」

「……(以前出会ったナターリヤの存在が脳裏に掠め)」
「(操作していた携帯端末から顔を上げ)……ギルベルト君、どうかしましたか?」
「(声をかけられたことではっと我に帰り)あ、悪い。ちょっと考え事してた」
「考え事ですか、……そうですか、考え事……ううむ、(納得がいかない様子で携帯端末を操作し)……考え事も、行き詰まると埒が明かなくて嫌ですねえ」
「うん。なんて言うのかな…その考え事ってのも何を考えてるのかって自体がこう分かんなくて……ああ、言葉が見つかんねえ(頭を抱えて唸りながら)」
「……立ち返りなさい。一度戻って、再度情報を精査する。ああ、これは今の私にも言えますね。……その場所にいても無駄ならば、別の道を探す。何を考えているのか分からぬのならば、分かるところまで戻る。情報精査の鉄則です(端末をカウンターに置くと深い溜息を零し)」
「(ゆっくりと顔を上げ)立ち返る、か。…そうだな、分からないまま先を急いでもますます混乱しちまうもんな」
「その通りです。分かるところまで戻れば、自ずと道は見えます。……なんて、自分の実力の未熟さを痛感した時に自分に言い聞かせる言葉なんですけれどね(残った紅茶をゆっくりと飲み)」

「(些か乱暴にドアを開けると大きな音を立ててドアベルが店内に響き)……コーヒー。ブルーマウンテンで。あとオムライスセットとワッフル(アーサーの方へとそう注文するとすたすたとフランシスの向かい席にどかりと腰掛け)」
「承りました。マシュー、オムライスセット(厨房の方へ声をかけ)」
「あ、はーい!15分ほどお待ちくださーい!(パタパタと冷蔵庫を開けたりボウルを取り出す音が鳴り出す)」

「……?(ルーカスの方を見つめると不思議そうに首を傾げ)」
「……(ルーカスを憎悪を込めた眼差しで一瞥するがすぐに視線を逸らす)」
「ちょっと。麗しいマドモアゼルが君のことを見つめてるよ(顎でソフィヤの方を指し)」
「…(窓の外を見ていたがフランシスの言葉に顔を向けるとふたりに手を上げ)」
「……どうしてかしら。私、はじめてなのに…(手を振り返しながら違和感に首を傾げ)」
「姉さん、どうしたの?(何も思い出す必要はないと言いたげな様子で微笑み)」
「んとねイヴァンちゃん。何かしら、私何かを忘れているような……」
「忘れる?姉さんが?そんなはずないよ、それは気のせい。……姉さん程聡明な人が、忘却するなどあり得ないでしょう?」
「そう、かしら。…………(納得していない様子で顎に手を添えて)」
「……君の心臓って鋼鉄で出来てるんじゃないの?(ドン引きした眼差しでルーカスを見つめ)」
「んなわけねえだろ(何を言ってるんだという表情でフランシスを見つめ)」

「…………あれ(鼻をすんと鳴らすと首を傾げ)」
「?(ギルベルトの様子に視線を動かし)」
「……なんだろ、どこかで嗅いだようなそんな匂いが(横目でルーカスを見つめ)」
「……匂い……(何か引っかかる様子でナプキンを取ると胸ポケットからボールペンを取り出してさらさらと文字を刻み)……マスター、本日のサンドイッチはなんでしょうか?(そう言いながらナプキンをアーサーから見える位置に置く)」
「(紙ナプキンを受け取りながら)ハムサンドと今朝仕入れた果物をふんだんに使ったフルーツサンドですね」
「ではフルーツサンドを二人分、生クリームは控えめに(小さく頷き)」
「承りました。そちらのグラスは片付けておきますね(器用に左手でボールペンを動かしグラスを回収するのと同時に素早く紙ナプキンを返す)」
「(紙ナプキンを確認するとくしゃりと潰してポケットに滑り込ませ)助かります、ついでに紅茶もおかわりを。マスターのおすすめブレンドでお願いしますね」
「では本日はアッサムブレンドを(こくりと頷くと茶葉の入った瓶を取り出す)」

「(ぬっといつの間にかカウンターに腕を置き)俺も追加注文しでええ?」
「(微笑みを浮かべているがどっと疲れたように目を瞬かせて紙ナプキンをもう一枚取り、さらさらとメモを記載していたがルーカスの登場で一瞬動きを止め)……マスター、注文とのことですよ」
「(レンズ越しにルーカスを見つめ)……ご注文は」
「このトマトジュースってのを一つ。今翻訳しでんのがヴラド公の伝記だからつい赤いもんが飲みたくてな(メニュー表を指で指しながら)」
「トマトジュースですね。すぐにお持ちします」
「……(そっとメモをルーカスの目につかない位置に移動させて頬杖をつき)」
「ん、(満足したのかカウンターから体を離し)…おめ、なんか最近人気の歌手の声そっくりだな(キクの方へと声をかけ)」
「ええ、よく言われるんです。……似ているでしょう?(感情を覆い隠すような笑みをルーカスへ向け)」
「ああ、似てるな。本人かと思ったべ。まあその本人は公では姿見せねえからなあ(流れるような動作でキクの隣の席に腰掛け)」

「…………(何やってんのかなあの子はって叫びたいけどなんとか笑みを浮かべ耐えている)」

「一切顔出しをしない歌手、なんて今どき珍しいですよね。……女か男か……まあ、声で男だとは推察出来ますが(何食わぬ顔でつらつらと喋り)」
「んだな。まあマスコミとがはその正体を掴むために色々やってるみてえだが……ハン、ご苦労なこっだな(愉しそうに口元をつり上げながらキクの瞳を見つめ)」
「ふふ、面白いですよねえ。いざ掴んだと思ったら全然違った、だなんてお茶の間を賑わせて(くすくすと口元を覆って笑い声を漏らし)」
「ああ、とんだ笑い種だべ。当の本人は今頃笑いが耐えねえだろうなあ(両肘をついてカップが陳列した戸棚を見つめ)」
「もし会えたのなら、この滑稽な状況をどう思うのか聞きたいですね。……というか、貴方はそれを生業としているのでは?(ちらりとルーカスの横顔を盗み見ながら)」
「俺はしがない翻訳家だ。ゴシップやらは専門外だな。……強いて言うなら餓鬼共に言葉を解いてやるくらいなもんだ(キクの視線に気付き目線だけ絡め)」
「ほう、翻訳家と来ましたか。それはさぞ、素敵な言葉たちを知っているのでしょうね。素晴らしい、素晴らしいことだと思いますよ(視線が絡み、微笑みを浮かべ)」
「何、人の言葉をただ拝借しでまるで自分の言葉のように振る舞うカッコつけな仕事だ。俺自身はそこまで饒舌じゃねえし口が回らねえからな(んべっと舌を出し)」
「いえいえ、言葉を借りると言えども知らねば言葉は紡げないでしょう。同じ言葉を繰るものとして、いたく感心致しましたよ(目を細めて口元を覆い)」
「(ゆっくりと目を細め)……零す言葉は生憎今はねえな。おめの賞賛の言葉に腹いっぱいだからなあ」
「ふふ、言葉は膨大です。その称賛も、ありがたく受け取っておきましょうか(微笑んでいるものの感情を読み取れない瞳でルーカスを見つめ)」

「(ルーカスの前にトマトジュースを置き)翻訳家と伺いましたが」
「主に児童文学やたまに医療書や文学書とか訳してるだけだべ(トマトジュースに口をつけ)」
「ほう、それ程手広く行っているのならばそれなりに名は有名なのでしょう(微笑んだまま)」
「……はああ(深いため息をついて片手で頭を抱えて)」
「あえて言おう。儲かってる(渾身のドヤ顔)」
「儲かるのか」
「儲かる(こくこく)」
「儲かるのねー(ぱちぱちと拍手)」
「儲かる……成程、そちらの事業に手を出すのも悪くなさそうですね」
「え、キクって翻訳とか出来るのか!?」
「多少ならば。必要に駆られて覚えた程度なので、そこまでの精度はありませんが(さらり)」

「……(あれ、さっきまでの緊迫した空気は?あれ?って顔)」
「君、意外と苦労人でしょ(フランシスの様子に苦笑しながら)」
「……分かってくれる?(苦笑い)」
「そういう感じ、滲み出てるもん」

「成程。この国際社会に外国語を習得は必須か。……(アルフレッドとマシューを見つめ)」
「?俺は体育で成績いいから大丈夫!(ウインク)」
「あ、え、えっと……もっと頑張ります!(こぶしグッ)」
「よし、カリキュラムに語学を次から取り入れるか(即決)」
「体育が!成績ばっちりなので!大丈夫です!!(震え声)」
「ブフッ……ど、どんまいアルフレッド(笑いを耐えながら)」
「ギルベルト君、帰ったら試験の結果を提出するように。最近勉強を怠っていたでしょう?(にっこり)」
「ギクッ」
「やーい!ギルベルトも道連れなんだぞー!!」
「お、俺はアルフレッドより頭はいいしっ!!」
「そういえばギルベルトちゃん、前はトップ20に入ってたけど最近入ってないわよねえ(さらり)」
「それは勉強さぼってんな(真顔)」
「ほう……」
「ミシェルカせんせええええええええ!?」
「あら、言っちゃダメだったのかしら。出来の悪い先生でごめんねー(テヘペロ)」
「何言ってるの、姉さん程いい先生はいないでしょう?(当たり前の顔)」
「なぜ学年トップがとれないんだ(悪意のない一言)」
「それはアーサーさんしか言えない言葉だと思います(正論)」
「これだから頭のいい奴は(真顔)」
「成績上位……特に髪がセミロングの男は陰険(偏見)」
「ギルベルト君、なんだか私怨が混ざってますよ(苦笑)」

「成績上位でセミロングで陰険ってトーリスのこと?(ド直球)」
「えっ、あ……はい(まさかの言葉に吃り)」
「否定しないからいいよ、急にトーリスの名前出してびっくりした?(面白そうに肩を震わせ)」
「その……知り合いなのにそういうの言われたら嫌かなって、…思って(頬を掻きながら気まずそうに)」
「いや、別に?……僕が悪口を言われて許せないのは姉妹だけだから。トーリスの悪口は構わないよ?(当たり前のように目を瞬かせ)」
「へ?(イヴァンの言葉に目を瞬かせ)」
「??あれ、僕変なこと言ったかな?(首を傾げて不思議そうな表情を浮かべる)」
「あ、いや。その……本当にミシェルカ先生が好きなんだなあって」
「うん、僕は姉さんと妹だけが大好きだから。他はどうでもいいんだ(首を元に戻すとにこにこと楽しそうな笑みへと変わる)」
「……貴方、は?(心配そうに見つめ)」
「僕?僕がどうしたの?」
「いや貴方自身はその、どうでもいいとか思ってんのかなとか、……あ、すいません。俺何言ってんだろ失礼だな(俯きながら顔を覆い)」

「(2人の様子を傍観し)ホンダ。バイルシュミットには踏み込み方を1度教えるべきだ」
「ええ、そうですね……踏み込んではいけない領域を教えるべきでした。……私の落ち度です(溜息を零し)」

「(パチパチ瞬きを繰り返すと面白そうに笑い)うふふ、僕自身なんてどうでもいいに決まってるでしょう?君、面白いことを聞くんだね」
「(顔を僅かに上げ見上げるように)……でもイヴァン…さんが生きてないとミシェルカ先生も心配するし悲しいと思う、から」
「???……姉さんが心配する?(理解出来ない様子でソフィヤの方を見つめ)」
「そうよ。イヴァンちゃんが怪我とかしたら私もナターリヤちゃんも悲しくて泣いちゃうから(ぷんすこと頬を膨らませ)」
「……そうか、じゃあ姉さんとナターリヤが悲しまないようにすればいいんだね。簡単じゃないか(答えを理解した子供のように目を輝かせ)」
「……?(イヴァンの様子に首を傾げ)」
「うふふ、ありがとうギルベルト君。僕はひとつ、理解出来たんだ(嬉しそうに微笑みながら)」
「そ、そうなの…ですか(機嫌を損ねていなかったか不安を抱いていたがほっと安堵の色を浮かべ)」

「……これははらはらしても仕方ないねえ(傍観者を決め込みながらコーヒーを啜り)」

「……ギルベルト君、これ以上は踏み込むべきではないでしょう。彼らには彼らの、我々には我々の道があるのですから(ギルベルトの肩を軽く叩き)」
「気にしなくていいのよギルベルトちゃん。貴方の言葉でイヴァンちゃんも無理しないようにしてくれるみたいだし。…さすがギルベルトちゃんねえ(柔らかな笑みを浮かべるもその瞳は芯を捉えていない)」
「………っ!?(ソフィヤの視線に背筋が震え)」
「……ギルベルト?(ギルベルトの背筋が震えたことに気付き)」
「あ、いや……なんでもねえ(自分を抱きしめながら)」

「(ギルベルトの背後から探るようにソフィヤの様子を伺い)……一筋縄ではいかないのは、あちらの方かもしれませんね」
「精神的支柱は彼女だろうな。だが盲信しているそれもまた…厄介な事に変わりない(眼鏡を上げながら訝しげに)」
「……妄信しているがゆえに、その感情が振り切れていてどちらに転ぶか分からない。ということですね、……はあ、腰を上げるのが嫌になりそうです(頬杖を付き)」
「……そして、もう一つ腰を上げなくてはならない案件が一つか(フランシスの元へ帰ったルーカスを見つめ)」
「(先程まで記していた紙ナプキンを手渡し)出来る限りで調べ上げました。聞こえた名前、職業、性別etc……プロテクトを掛けているのか、これが限界です。歯痒いですね」
「……どれも本人の口から公言しているものばかりか。それにホンダが尻尾が掴めないとなると……あれはいったい何なのだろうな」
「ええ、本当に。……ああ忌々しい。情報屋の名折れですよ、本当に。……何者なんですかね(前髪をくしゃりと潰し)」
「だが分かることはある。……あの優男風の男は口だけの男だな(確信)」
「口だけ、と一口で纏めても彼の人心掌握技術に関しては目を瞠るものがあります。侮るなかれ、ですよ(前髪から手を離すと肩を竦め)」
「だが口先だけしか武器はないだろう(二度目の確信)」
「……カークランドさん、もしかして彼のこと嫌いですか?(客席に見えないようにフランシスを指差し)」
「何故だろうな。相成れない何かは感じている(こくりと頷く)」
「理由のない嫌悪、ですか。……ふむ、これもひとつの情報と成るのでしょうか(唇に指を当て)」
「いや、それってただの生理的に無理!って奴じゃねえの(真顔)」
「アーサーも遂に人間になったのかい?(真顔)」
「俺は元から人間だが。何だ、アルフレッドは俺を地球外生命体だと思っていたのか(至極真面目に)」
「……アーサーなら地球外生命体だったとか言われても納得出来るんだぞ(真顔)」
「実はアンドロイドとかでも驚かねえな(アルフレッドに同調するように頷く)」
「この答えに俺はどう反応すれば正解なんだ?」
「正解はないので、カークランドさんがしたい反応をどうぞ(ふたりを指すように手のひらを向け)」
「そうか」
「そうか(真顔)」
「これがアーサーだよ(真顔)」
「そうだな、安心した」
「通常運転じゃないアーサーとかチキンがない唐揚げだから」
「いやそれただの衣だろ(ツッコミ)」

× ×

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