確定消すな  



 
甲斐田晴
「可愛いね」
 そう言って頭を優しく撫でられると、
僕はなにも言えなくなってしまう。可愛
いじゃなくて格好良いって言われたいと
か、僕より君の方が可愛いとか、言いた
いことはたくさんあるのに胸が苦しくな
って言葉が詰まってしまう。
「赤くなってる……照れてるの?」
 彼女の指が火照った僕の頬に触れる。
そのまま掌を添えられてしまえば、本当
は恥ずかしくて今すぐにでも隠したいは
ずのだらしない顔を彼女に向けることし
かできなくなる。
「本当に、可愛い」
 彼女に吸い寄せられるかのように柔ら
かな唇を求めて顔を近づければ、小さく
微笑んだ彼女の甘い吐息が落ちてきた。



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