涙で滲んだ景色


「長谷部」

思いの外声にならない。
重傷を負い刀剣破壊まであと一歩の状況で彼は奇跡的に助かった。
今は泣いている場合ではない。
倒れそうになる長谷部の体を支えると、うっすらと目を開く。

「……主、ご無事で……?」

弱々しく微笑む長谷部のせいで涙が止まらなくなった。




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