仕事場の休憩室。
前の職場でお世話になっていた先輩と他愛ない会話を楽しんでいた。
はじめは仕事の相談や最近の様子などについて。
そのうち段々と互いの趣味の話へと話題が切り替わり、先輩に『最近ハマってる物とかないの？』と尋ねられた。
私は待ってましたと言わんばかりに鞄からあるモノを取り出した。
『実は、最近コレにハマってるんですよ！』
私が取り出したのは、写真より一回り程大きいサイズのフォトアルバムらしきもの。
その中身は、首が切断されたご遺体の写真ばかりを集めた写真集だった。
コンクリートや芝生、茶色い土の上など、様々な場所で横たわっている身体の写真。
その写真集を、興奮気味に先輩に見せている自分の姿があった。
『へぇ〜…でも気持ち悪くない？』
『別に気持ち悪くないですよ。私のオススメはこの写真で…』
興奮しながら写真を見せる私とは対照的に、先輩はあまり興味がない様子。
軽くスルーされ、話題を変えられてしまった。
そんなやり取りを見て、『別に私、ハマってないけどなぁ…』と疑問に思う自分がいた。

[2014年]

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