制服を着た少女が2人。
一方の大人しそうな少女は私。
もう一方の、活発で頼りがいのありそうな少女は友達?それとも恋人…?
少なくとも、私にとって彼女は特別な存在のようだ。

2人の少女は逃げていた。
なぜ逃げているのか、何から逃げているのかは分からない。
それでも走って走って…校舎を抜け出すと、そこは埠頭のような場所だった。
よく見ると、隣にいる彼女はギターケースらしきものを抱えている。
校舎を出るとすぐ、私が彼女のギターケースに目を奪われている間に、1台の車が目の前に止まった。
左ハンドルの車だ。
車内にいた気前の良さそうな女性が『早く乗りな!』と私たちに向かって言った。
私と彼女は、急いで車の助手席に乗り込んだ。
まずは彼女が。
そして、その膝に乗るような形で私が。
私たちを乗せると、車は急発車した…と思ったのも束の間の事。
すぐに宙に浮く感覚が襲い、車は水の上を飛び、そして落ちた。
急いで車から脱出して陸地へ上がり、私たち2人は再び走って逃げる。

どうやら他校まで逃げてきたようだ。
見覚えのある風景に『ここ、○○高校じゃない?』と私が尋ねると、『そうだよ』と当然のように答える彼女。
階段を駆け降り、校舎内を逃げていく。
私たちの他にも逃げている人たちがいるようだ。
顔も名前も知らないが、他校の生徒だろうか?

そしてついに追い詰められた。
部屋の入り口は、黒いスウェットを着てフードを被った人物が道を塞いでいる。
彼女の背に庇われながらもう終わりかと思った…が、フードを取った男は知っている人物だった。
学校にペンキを塗りに来ていた作業員のおじさんだったのだ。
「早く逃げるんだ!さぁ、こっちへ!」
どうやら彼は味方のようだ。
私たちは、彼が指差した方向へと再び逃げていった。

[2015年5月20日]

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