Mythogenesis-XIII Eschaton Codex: Aurelia
明日を夢に見ていた。
だれにも当たり前に来る、明日というものを、夢に見ていた。
わたしが目を覚ましたのは、真っ白い部屋。知らない機械がたくさんある世界。白衣を着た大人たちがそこかしこを忙しなく歩き回っていた。頭上を飛び交う知らない言葉。
ゆったりと、瞬きをする。ひとつ、ふたつ。みっつめをする前に、だれかがわたしを見た。
紫がかった赤い瞳。その持ち主である男の人は、わたしを見て、嬉しそうな顔をする。
「目が覚めたんだね。おはよう、俺のオーレリア」
優しい声、だと思う。優しくて、温かくて、甘くて──感極まったような、そんな声だった。
その人の声をきっかけに、一斉に注がれる多くの目。何十という視線。どれも、同じ感情を宿していた。
そこに滲んでいたのは、そう。ありきたりな言葉にするのなら、きっと──信仰だ。
「ねえ、エイミー」
「どうしたんだい、オーレリア」
「エイミーは、わたしが……生まれたこと、うれしい?」
「もちろんだよ。君は俺にとって、最高の──……」
明日を夢に見ていた。
その明日が来ることで、彼が笑ってくれると思っていたから。
ねえ、エイミー。
あのとき、あなたが言った言葉を、わたし思い出せないの。