男の子とか、女の子とか。わたしはどうだっていいんだよ。きっと、うつろはそんなこと、知らない。性別とか、そういう細かいことは、わたしからしたら、あまりにも些末な話だ。わたしからしてみたら、すべて同じひとであって、それだけ。そういうところ、人間って面倒だよね。
うつろの身体が女の子で、心が男の子で。わたしからしたら、うつろはうつろでしかない。彼にとって、わたしがわたしでしかないように。そういう単純で、言葉にしたらつまらない、たったそれだけのお話。
でも、わたしがこれを、彼に言うことはない。彼がそれを望むことはないから。誰にも言わず、何にも残さず、わたしの胸の内だけで何度も転がす。
彼がわたしに触れて、ほんの少し泣きそうに笑うたびに。わかってあげられない自分が、ちょっとだけ、さみしい生き物に、思えてしまう。
「だいすきよう、うつろ」
この言葉にだって、意味があるかわからないのにね。