わたしに囚われた、可哀想な子。彼女を可愛いと称するのは、性格が悪いと言われてしまうのだろうか。
キャンバスを真剣な目で見つめるミゼル――ラルムールを見る。わたしを見て、キャンバスを睨みつけて、手に持った筆を走らせる。
彼女はわたしを描きたいらしい。それをすることに、どのような意味があるのか、わたしにはわからない。
真っ白いキャンバスに描き出した『わたし』いったい、どんな価値が生まれるというのだろう。
人間の考えることはわからない。わたしを見つめる彼女の瞳に宿る熱も、きっと、わたしには理解ができない。
それでも。
「絶対に、貴女を描いてみせるわ。約束する」
あの子が真剣な眼差しで言うものだから、わたしは「楽しみにしてるねぇ?」と笑った。