信仰や心酔に、どのような意味があるというのだろう。私を見つめて、緩み切った表情を見せる小麦を見下ろして、強請られるままに頭を撫でてやる。
 彼は私に酷く従順だ。私が言うことならば、きっと、どのようなことでも叶えようとするのだろう。その善悪など、少しも考えずに。
 私の望みを叶えることが、彼にとって正しいことだから。
 これを停滞と呼ばずに、なんと呼べばいい。
「少しは、小麦も自分で考えられるようにならないといけませんね」
 私の言葉を聞いて、小麦は不思議そうに目を丸めた。そうして、子どものような仕草で首を傾げる。「必要?」とも「考えてるよ」とも言いたげで。そのどちらの答えを聞いても、私は何も言えなくなってしまうのだろう。
 君を縛るためにいるわけではないんですよ。ねえ、小麦。私がいなくなったら、おまえ、生きられなくなってしまうでしょう。それが間違っているということは、私はとうに、知っているんですよ。