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「タツミさん」
「どうした?」
「今日ってキスの日らしいですよ」
「キスの日…?」
不思議そうに首を傾げてるタツミさんに私は笑いながら飲み終わったジュースの缶のプルタブを弄る。
「語呂合わせか何かはわかりませんけど...」
「キスの日なぁ…」
「タツミさんだったら、やっぱり…」
「そりゃもちろんヒバリちゃんだな!」
わかりきっていた答えのはずなのに胸の奥がつきんと小さく音をたてたような気がした、空の空き缶を持つ手に自然と力が入り手の中の空き缶がみしりと悲鳴をあげる。
「まだまだ遠いんじゃないですかー」
「そんなこと言うなって、カナメは?」
「私は…」
タツミさんですよ。
なんて言えるはずもなく空き缶をぺしゃりと潰してはゴミ箱に投げる、ゴミ箱の端に当たるそれは虚しくも床に音をたてて転がる。ああ、なんてついてない日。
「内緒、です」
人差し指を唇に押し当てて転がる空き缶を拾ってはゴミ箱の中へ。
「内緒、か。にしてもカナメはノーコンだな」
「仕方がないじゃないですかー」
「ったく…お前は本当に面倒見てやんねぇとな!」
「手のかかる子なら面倒見てくれるんですか?」
「手がかからなくても仲間の面倒は見るぞ!まあ、お前みたいな奴は余計に心配なんだけどな、空回りしそうで見てなきゃ怖ぇし」
それならいつまでも手のかかる奴で構わないです。
タツミさんに迷惑かけるかも知れないけど、それであなたが私を見てくれるなら、曖昧に笑って伝えたい本音を飲み込んだ。
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