はちはと

まず初めに、下がり眉で不器用に笑ったその顔。星屑のように散らばったそばかすに、揃わない毛先。
息を飲むほど美しい引き金を引いたその人差し指。そうして次は笑い声。

「あたしはやっぱりダメなんだ」

と自嘲気味に笑う声。

言葉を紡ぐその口の、声を発するときの息遣い。隣で何度も見たことはあったけど、震えるその手に触れることは結局できなかった。

彼女が嫌いと言った彼女のことを、アタシは少しも思い出せない。

晴天


短編