雲桜
ふと足を止めて、いつもよりほんの少し自分の歩く速度が遅いことに気が付く。
あぁそうか、今日はあの子が。
ふと後ろを振り返ってもそこには自分が歩いてきた道が広がるだけだった。
ひらひらと舞い落ちる桜の花弁が鬱陶しくて、早歩きで神社へ向かう。
桜の咲く季節は凍えた体温を思い出す。
いつもの癖
短編