覚えのあるオルゴール音がすれ違い際に聞こえる。振り返れば自身が通した意地を壊してしまう気がして、立ち止まらないどころかやや急ぎ足で逃げるように人混みから抜けた。
おれらしくないわ。

狂ったように楽しく生きることをモットーにしてからどの位経過したのだろうか。まんべんなく東城会のいざこざに巻き込まれているから、年月の積み重ねなぞどうでもよくなってきていた。いや、もしかしたらもっと昔から時の流れなんぞ気にしていなかったと思うが。
目下には神室町の1秒も無駄にせんと慌ただしく行き交う人々で賑わっている。おれはそれをただ煙草をふかしながら眺め、1秒1秒を結構無駄にして過ごしていた。
黒革で出来た手袋の拳の部分だけ艶消しが鈍り、街明かりを少しだけ反射している。人差し指と親指でつまんでいる煙草のフィルターに何気なく視線が絡む。
「おれはちゃんと狂えているか?」
その疑問に答えはない。
2回しか吸わなかった煙草を放って捨て、西の方に視線を傾けた。高いビルの隙間を縫って鋭い三日月が浮かんでいる。
「佐川はんよぉ」




鬼炎と三日月


*
以下感想。龍が如く0のネタバレ含みます。

ジャッジアイズと同じシナリオライターさんが書いていると聞いたので龍が如く0をやってみたのですが、見事にハマってしまいましたねぇ、ええ、いいカモです。
これは極から6までやらねばならぬフラグですよね完全に。
ジャッジアイズ売り出してからの*6をPS4で全て出来るようしてくれてる如くチーム凄くないですか!?まんまと踊らされちゃっています。
まあ最近やってたゲームは全部世界を救う系だったので、良い刺激になってしまった結果ですね、まあ。

マコトちゃんをもう真っ白な人間にしてあげたいって願ってた真島さんの願いが叶ってよかった最後だったのですが、後日談の真島さんの意地の通し方が悲しいのにめっちゃくちゃイケメンで脱帽ものでした。泣いた。
とりあえず本文章は、2極で再会する前の雰囲気で書いてみました。
佐川はんの名前を呼んでいますが、実は結構佐川はんに関して不服です。あの人最後は良い人っぽくなってるが李さん殺したんやでぇ……。

ドラマが全部恋愛か医療、警察の三つ巴になってマンネリ化している現在、邦画好きにはグッとくるストーリーでした。ゲーム性よりストーリー重視する女性層如くに関しては少ないのなぜだろうか……。

以上、機会があればもう一度書きたい表明でした。





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