「私の解釈違いなら良いんだけど、このアリサの報告書ってどういうこと?」

珍しく動揺しているアメちゃんの手にはアリサからの報告書が2枚。1番大きな欄には「過去へタイムスリップし、特務遂行中」と冗談のような言葉が端正な文字で書かれている。同行者欄にはブラッドのナナとシエル。今回で2回めのアリサならともかくブラッドまで巻き込むとは、今回は規模がデカイ。

「あ、それね。前回はアメちゃんが隊長じゃなかったから知らないだろうけど、アリサがタイムスリップするのは2回目。現実主義者のアメちゃんに言ったら目覚ましだとかで自分の腹を斬り兼ねないと思って、リンドウさんとコウタの3人の秘密にしてた」
「ちょっとなんなのよそれ」
「今回はリンドウさんと俺は酒と煙草、コウタはアニメDVDとフィギュアのお土産をお願いしたんだけど、アメちゃんもなんか欲しかった?」

バレてはしょうがないとばかりに矢継ぎ早に喋ってみたが、思考回路がショート寸前らしいアメちゃんは1つも処理出来ていない様子だ。握った報告書が小刻みに震えている。

「この事態、ブラッドは把握しているのかしら?」
「雪とユユちゃんは『ふーんそっか』って言ってた。あ、雪はちょっと構ってくれるシエルが居なくなったことに動揺してたな……ともかくおれら以上に異常事態に対する耐性があるっぽいわ。まあ何でも良いけど、3人も居ないアナグラでぐうたらも出来ねぇのが嫌だな」

ぐうたら、の部分で我に返った素振りを見せたアメちゃん。
嫌な予感がして背を向けた時、

「エディくん、ウロボロス狩りソロでお願いね」

やっぱり知らないって言っとけば良かった。







*PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLDネタ






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