「ロビンちゃん、用意できた!」
「早かったのね、サンジにピクニック用のお弁当頼んでおいたの」

 ほら、とピクニックセットを持ち上げたロビンちゃんに瞬く。サンジくんの腕の良さと手際の良さはそりゃもうじゅうぶん知り尽くしてるけど、急なお願いに私より早く準備が終わるはずがなくて、先に起きたロビンちゃんが私との約束を守ろうと朝早くからサンジくんに頼んでいたことがわかって胸がきゅうっと締め付けられる。ピクニックセットにぶつからないようにロビンちゃんに抱きついて、買い出しに向かう為に船を降りてたサンジくんの背中にありがとうと叫んだ。振り返ってくねりくねりと返事を返してくれたサンジくんに笑って、ロビンちゃんを見上げる。

「準備して待っててくれてすごくうれしい」
「私はサンジに頼んだだけよ」
「ロビンちゃんが約束に前向きになってくれたことがすごくうれしいの。いつも私、しつこいでしょ? 嫌がられてなくて、うれしい」

 ぎゅう、とロビンちゃんの胸元に擦り寄って微笑む。とくとくと柔らかい音が聞こえて心地良くてせっかく覚めた頭がまた微睡んでしまいそう。

「……そんなこと思っていたの?」

 柔らかい音と柔らかい温度に包まれてうっとりしていたら、硬い声が上から降ってきて間抜けに口を開いたまま顔を向ける。怪我でもしたみたいに痛そうな表情をしていたロビンちゃんにまた目が覚めてぴょんと飛び跳ねそうになったのにいつの間にかしっかり体をロックされていて身じろぎできなかった。

「ろ、ろろ、ロビンちゃんどうしたの、具合悪い? おでかけやめてサニー号で休む? い、今ならチョッパーも遠くまで行ってないし私、呼ん、」
「私に嫌がられてるかもしれないと思っていたの?」
「……へ?」

 どうしようどうしようと慌ててたはずのに、ロビンちゃんの言葉に間抜けな声がこぼれ落ちる。

「どうしてそんなふうに思ってしまったの? あなたにされて嫌なことなんてひとつもないわ」

 ぎゅう、と体と体がぴったり密着して甘く告げられた言葉に固まる。

「……のんびりするのは今度にしましょう。今日はあなたに私の気持ちを伝える日にするわ。もう二度と、そんな変な勘違いをしないように。サンジにお弁当を頼んでいて良かったわ。おしゃべりだけに集中できるものね」