親しい間柄

会見が終わりあれから仕事が来るわ来るわ。正直かなり忙しい
私が注目され、自然とファントムシーフ事務所へと話題が移り相棒達にも仕事が来ているのだ

TVやラジオ、雑誌の出演やプロヒーローからのスカウトetc…。
ファントムシーフこと寧人は個性をコピーすることによってどの相棒達とも連携を取れることが出来、迷った新人ヒーローが多く来る為自分の戦闘スタイルを見つけたらそのスタイルにあったヒーロー事務所へと就職するのだ

うちはその設備が充実しておりスカウトから紹介なんでも揃っている。迷ったらファントムシーフに入れ!と最近実しやかに噂されてるの知ってるからな

相棒のスカウトに関しては私が妙な噂(裏金だとか敵連合とつるんでるだとか色々である)がないかをチェックしもしあってもそれを相棒に伝えた上で本人達に判断させる。それで断るのも良し受け入れるのも良し、目指しているものがあるなら断れと言った感じだ

逆にスカウトとは違い、高校の推薦のような、こんな人材が欲しい!という私がチェックし終えたプロヒーロー事務所の募集要項を電光掲示板に常時載せ、相棒達の判断で私や寧人に相談しに来る。こちらも相棒が条件を満たしているとokを出せばその事務所へと挨拶、紹介等済ませ向こうの判断によってその相棒の所属が決まる。
これは相手の事務所次第なので落ちる人も少なくない

それなりにこのファントムシーフ事務所は大きいからヒーローから政治家、TV業界等と人脈がかなり大きい為憧れの事務所の前に実績を積み、こちらからの紹介でずっと就きたかった事務所へと行く子達も少なくない

だからこそ新人ヒーローが多くここへの就職を望むのだ
相棒じゃなくてヒーローとしての独立したいなんていう相談もたまに受けるたりもする。

なんて、考えながら真っ黒の事務所を見つけため息をついた。これは本人に伝える前に警察へと突き出さなきゃいけない感じだなぁ、とまた仕事が増えたことに遠い目をしつつもpcを打つ手を止めない


「そろそろ休んだら?」

「後もうちょい」

「それ30分前も聞いた」

「誰かさんが忙しくしてくれたからさぁ…」

「ハハハッざまぁ」

「滅べ」


なんて軽口を言い合いながらも寧人は気遣ってコーヒーを入れてくれていた。こいつ、意外と優しい所あるんだよな…なんてしみじみ思いつつコーヒーを口に含む
やはり好みを知っているようで丁度いい味なのが流石だ。


「冬華は午後出勤ね」

「なっ!?ちょ、今の時期??」

「当たり前だろ。メイクがいつもより厚い、ってことは隈隠してるってことだよねぇ、大事な秘書が倒れられたら困るんだよ。馬鹿なの?」

「バカは余計よ」

「それに相棒達が冬華と最近話せてないーって言ってたし時間作って構ってやったら 」

「んん、もう本当にいい子ばっかだなぁ…」


先輩と慕ってくれている相棒の子達を思い出し頬が緩む。うちは男だけじゃなく女の子も多いからかなり癒しなんだよね…。
あ、そういや先程の言葉に語弊があるが。ほいほいと新人をうちの事務所へと入れている訳では無いということは理解しておいて欲しい。実技に、礼儀や学力で基準を満たして私と寧人の意見が満場一致したら入れるのだ

いくら優秀でもヒーローとして必要な部分が無ければ落としている

うーーん私すぐ仕事のこと考えちゃうな…、本当に社畜か!っての
綺麗に纏めていた髪が崩れかけていたので髪を下ろし、手ぐしで解いていると私のデスクに腰掛けていた寧人が私の髪の毛に手を伸ばした


「何?」

「別に」

「寧人も疲れてんの??」


私の髪を指で遊ばせている寧人に首を傾げた。昔っから寧人ってよく不思議なことするよねぇ?まぁ情緒不安定な所あるし、小学校の頃までだけど家近いから不安になったらよく家に来て私に頭撫でてもらいに来てたもんね?と昔を懐かし見ながらクスクスと笑った
こんな捻くれ猫被り野郎になってはしまったが可愛い時期もあったのだ

私?私は全く可愛げ無かったですよ!あっはは


「何一人で笑ってんの?こわ」

「いんやー、昔思い出して」

「黒歴史掘り出されそうだから黙ろうか」

「いたたたたた頭鷲掴みにすんな、」


髪を触っていた手を頭にシフトチェンジされ、ギリギリとしばらく掴まれていたがやっとこさ開放された
自前の櫛で横で結び終わると私は再びデスクへと視線を向けた


「はぁ…無防備すぎだから気を付けなよ」

「エー…無防備なのは寧人だからに決まってんでしょ」

「(だからそういう文句をさらっと言ったり簡単に男に触わすなってことだよ鈍感女が…自覚しろっての……)」


盛大にため息をついて疲れたかのように片手で顔を覆う寧人を見てゴミを見るような目で見つめていた。なんだこいつ、いきなりどうしたの?