BGM:煉獄の地下道


「リィン、お前はバレンシアのどこに魅力を感じる?」

「唐突だな……」

 他愛のない雑談をしていれば、不意に表情を引き締めて真剣な面持ちになったクロウが問うてくる。どこと言われたら。リィンは考えてみる。
 パッと思いついたのは笑顔だろうか。心の底から笑えるようになったバレンシアの、満開の向日葵のような笑顔は見ていて元気が湧いてくる。
 そう言えばクロウは大げさにため息を吐き、ちっちっちっと指を横に振る。何だか癪だ。

「バレンシアの魅力つったら――足だろうが」

「俺は何を聞かされているんだ?」

「あのタイトなスカートから伸びる健康的な足! 太ももから膝までの領域! 膝枕に最適な程良い柔らかさ! そこだろうが!」

「後半はクロウにしか分からないじゃないか」

 いや本当に、何を聞かされているのか。
 まだまだだなと呆れるクロウのバレンシア語りは尽きず、暫くリィンは拘束された。


2020/06/24



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