それがどうなってるのかが知りたくて
後ろから一気に引いてみようと手を伸ばした。


「ナマエ」
『ん?』
「何か用なら普通に呼び止めてくれ」
『あ、ごめん』


パッ、と手を離すとそれは重力に逆らわず元の位置に戻る。


「何だ?」
『何かさ、何でさ、機関のみんなって髪の毛かわったカタチのばっかすんだろうね?』
「さぁ…」
『ザルディンもじゃん。』
「は?」
『そのミツアミ。』


ぴしりと指をさされ、ザルディンは小さく唸る。


「ナマエ、こ、これはミツアミとは言わない。」
『じゃあ何』
「ドレッドという」
『ど、レッド?』
「区切らなくていい」


指摘され、ナマエはふぅん、と小さく声をもらした。


「それがどうしたんだ」
『は?何が。』
「髪の毛について話してたろ?」


ナマエの頭をがしがしと撫でるとナマエは再びザルディンの髪の毛を掴んだ。


「……だから、痛い。」
『ザルディン。』


身長的にナマエに見上げられるカタチになり、ザルディンは不意にドキリとした。


「な…何だ?」


にこ、と頬笑むナマエの次の言葉にザルディンは固まった。


『あのさ、そのドレッド?全部、解かせて?』


優しく頬笑んでいたナマエの表情が黒い笑顔に変わった。


「……は?」
『気になる。解いたあとが!』
「や、やめ…」
『優しくしたげるからさ!』
「うぉっ!?」
『わっ!』


後退さる足がもつれ、ザルディンは反射的にナマエの腕を引いて倒れた。


「つー……」
『ったぁ……』
「す、すまん、大丈夫っ……!!」


ザルディンはその状態に体を強ばらせた。


『あー、ん…大丈夫…ごめん、重かったよね?』
「い、や。…だっ…大、丈夫…」


状況的にザルディンを押し倒している状態のナマエは気にも止めず笑ったままだ。
一方ザルディンにとっては生殺しの状態。
押しつけられた胸に上目遣い、と来られれば誰だって理性が飛ぶに決まってる。
それがどんな堅物でも。


『ザルディン?』
「ど、退いてくれ」
『あ!ごめん、重かったよね!』


慌ててザルディンの上から退こうとナマエの体が離れる。
ザルディンの体に残ったナマエの熱が、早急に失って行く。


『もーザルディンが余計な事するか、ら……って、ザルディン?』
「ナマエ」
『何じゃい』


捕まれた腕を一度見、ザルディンに視線を向けた。


『なに?』
「…自分から退け、と言ったくせに、離れて欲しくない、と思うのはエゴか…」
『……さぁ?』


ナマエの腕を掴んでいるザルディンの大きな手にナマエの華奢な手が重なる。


『とりあえず、』
「却下。」
『うぶー。』
「何だ、うぶーって」


奇妙な声を発するナマエに苦笑う。


「どうしても見たいのか?」
『ん?』
「髪を解いた姿だ」
『うん。絶対見たいー。みんなのノーマル時の髪型を見回ってるから。だからその面倒臭そうな編み込みも』
「だからドレッドだ」
『そんな事どうでもいい。一番面倒臭そうな髪型してるザルディンのしくみとか、ノーマル時が超気になるし』
「ほぉ…」


ザルディンが低く唸ると同時にナマエの視界が一辺した。


『え?え!?』
「そんなに見たいなら、見せてやろう」
『ちょ、ちょい待った!だっ、だからって何で押し倒すの!?』
「髪を解く時は営みの場だけだ」
『ひ、やっ!!ち、ちょっ…』
「絶対、だろう?」
『………!!』


(その後、彼女が彼の髪型をしくみを見たのかどうかは、別のお話。)



END

葉月ヒロ様リクでザルディン夢です。ごめんなさい、意味不明で…!こんなんでよろしければ、捧げますー!

06.8.10


イトハン