やっと捕まえたことり。
逃げないように、握り潰してやろうか


「ナマエ」
『なぁにサイクス。』


隣に座って本を読むナマエ。呼ばれて顔をあげるナマエの髪の毛がぱさりと流れた。
流れ落ちた髪の毛を直すように耳に掛ける仕草はまた艶っぽい。


「いや…」
『何?変なサイクス』


ナマエが一生懸命手を伸ばして軽く頭を撫でる。
ポムポム、と音がなりそうな感じな撫で方に、思わず苦笑いした。


『可愛いサイクス。』


両手で包み込み、顔を引き寄せられる。その仕草がまた、艶めかしいもの。
白く映える首を軽く傾けて、大きな目をうっすらと閉じて、桃色に艶めく唇を薄く開く。


『……っ』
「ん、」


そして繋がる。


『サ、イクス…』


次第に激しくなって行く口付け。お互い息があがっても、どちらからも離れようとはしない。


勿体ないから。


「ナマエ」
『サイ……っ、苦し…よ…』
「お前から、誘ったんだろう」
『だってサイクス…寂しそうな顔するからっ…』


ぎゅう、と頭を抱き締められ、ナマエの匂いがふわりと鼻を霞める。
落ち着く、香り。
誘われる、香り。
理性が、失われる媚薬。


「…抱くぞ」
『コラ…まだ、昼間だよ…』
「その気にさせたナマエが悪いんだろう?責任は取れ」
『その気になんて…っア、んッ』


首筋に舌を這わせ、印を残して行く。
吸い付くたびにビクつく体に思わず苦笑う。


『…な、に…?』
「まったくお前は…何で、こんなに可愛いんだ…止まらなくなるだろ」


そう告げるとナマエの顔が見る見るうちに真っ赤に染まる。


『まっ、真顔でそんな事言わないでよ!』
「もういい。何も言わず、黙ってただ俺の為に鳴け」


溺れる自分。捕まるナマエ。
離してしまったら、二度と手に入らない。だから、体につける印だけじゃ物足りない。


『サ、イク……ス…っ?』

カチリとそれを外す動作に快楽に浸っていたナマエは顔を上げる。


「…逃げるなよ?」
『なに…?ん…っふ…』


唇を重ね、自分のそれをナマエの耳に刺した。


『え、何…、っって、い゙ったーぁあ゙!!』


ナマエが叫んだと同時に自身を締め付ける肉壁も狭くなる。


「…っ、締めるな…。」
『いっ…痛い!何してんの!』



そう、体に残す所有印じゃ物足りないから


『急に耳に刺したら痛いよ…っ!何こ……れ…』


きらりと光るそれは


『…これ、このカタチって…サイクスの…ピアス…?』
「ああ。」
『サイクス、これ…外した事なかったのに…』
「…俺の所有印だ。お前への」


耳に舌を這わせながら突き上げると、ナマエからは甘い声が零れる。


(足りない、タリナイ。それだけじゃあ。その所有印だけじゃあ足りないんだ)


「お前を繋ぎ止めるには…足りないんだ」



愛しすぎて
抱き潰してしまいそう。
小鳥を手で握り潰すようにナマエは、俺の腕の中で
抱き潰してしまいたい



END

ハマ様に捧げます…!て言うか裏でよかったのでしょうか…!イッちゃってるサイクスでごめんなさいー!!
返品可能ですよ…!


06.10.12


イトハン