皆、ナマエの事が愛しい
狂気を植付ける彼女は天使の顔をした悪魔か、はたまた悪魔の姿をした天使か


「はぁー…ナマエって何であんなに可愛いのかなぁ」
「いきなり何だよデミ?」
「だってさ、ラクシーヌとはまた違う美人顔でもあるけど、可愛いしさ、俺ナマエが彼女なら絶対離さないけどなー」


愛用しているシタールの手入れをしながらデミックスはうっとりした表情で呟いた。


「お前が離さなくてもナマエが離れてくだろ」
「あ、それ非道ぇよ!」


あはは、と笑い声をあげる二人を余所に傍らに座っていた人物はただちらりと視線を向けて金の瞳を光らせた。


「なぁ、そーいえばナマエって今どこに任務行ってんの?」
「さぁ?何か極秘だから場所教えられねぇって言ってたぜ?」
「そーなんだ。ちぇー早く帰って来ないかなー」


不貞腐れたデミックスに金の瞳を光らせていた人物は、にぃ、と口元を歪めた。


***


暗闇だけが支配する世界
朝も昼も夜も、時間さえもわからない
本当に闇の中にいるような感覚に、ナマエは気が狂いそうだった。


「よ。ルークちゃん。元気?」
「シグバール…。」
「くっ…随分大人しいのな」
「何か言っていたか?」


その言葉に、金の瞳を持つ男――シグバールはただにやにやと含み笑いする。


「んなのどーでもいいって。な、戴いちまってもいい?」
「がっつくな」
「早く犯してぇだけってハナシ。なぁ?」


ギシ、とベッドが重みを受けて軋んだ音を鳴り響く。


「ナマエ。」
『………っ…』
「あらら、シカト?」
「怯えさすんじゃない。」
「はっ。紳士ヅラすんなよなぁギャンブラー?どうせそれも仮面だろ?」


くつくつと低い笑い声。ナマエの視界は閉ざされていた。


「随分なご趣味なこった」
「フ…知っていたか?視界を塞ぐと全ての感覚が失われるらしい」
「へぇー…?なーるほど…」


シグバールは厭らしい笑みを浮かべ、ナマエのコートに手をかける。


『な……っ、や、やめてくださいっ!!』
「あ〜いーねぇ!ナマエ、そーいう抵抗が煽ってるってわかってんのかぁ?」
『やだっ…!離してください!』
「ルクちゃん、押さえとけ」


装飾具独特の銀細工の音が悲鳴の様にじゃらん、と唸る。
コートを半端に脱がし、中の釦付きの薄いシャツを左右に引くとぶちぶちと音を立てて釦があちこちに飛び跳ねた


『イヤ…何で…っ』
「俺らはぁ、お前が大好きなの。だから俺とルクはお前を共有する事にした。」
『え……?』
「…まだ分からないのか?案外鈍いんだな、ナマエは。」


にこりと頬笑んだルクソードの笑みは冷たく、ナマエの姿をその瞳に捕らえる。


「この状況で分かると思うが…?俺とシグバールでナマエを愛でる事にしたのさ」
『め、で……?なん……』
「つまり俺ら二人でお前を犯す事にしたんだよ」


露になった太股に舌が這う。
するる、とそれは足の付け根へと流れる。


『ひ……!や、やだ…誰か…っ!誰か…デミっ、アクセル!』
「聞こえねーよ」
「それとも、ナマエは他の奴にも凌辱されたいのか…?」
『いっ…!』


足の付け根に僅かな痛みが走る。薄く、血の香が鼻につく


『や…シグバールさんッ…』
「追い詰められた猫は果たしてどんな声で鳴くのだろうな?」
「さぁ?んじゃ、先に戴くぜ」
「慣らさないのか」
「んなのいらねーよ。早くぶち込みてぇの。」
『やぁ…っ、だ…れ、か…っ』
「きつくないか?」
「くかか!そーだったら無理矢理すりゃーいいってハナシ。」


先程からルクソードにしつこく胸をいじられナマエは震える体をどうにも出来ない。
不意に慣らされてもいないその場へ、熱の籠もるシグバール自身をねじ込まれる


『あ、ぐっ…ぃ――ッ!』
「キッツー……」
「…当たり前だ。だから慣らせと言っただろう」
「じゃールクちゃん、慣らせよ」


にやにやと含み笑いをし、シグバールは途中まで埋め込んだ自身をそのままの状態で保った。
目隠しをされているナマエには二人の間で何が行なわれているのか理解出来ない。


「……俺に舐めろと?」
『…っ!?』
「興奮しねぇ?」
「…お前だけだ。単細胞。」


ギシリ、とベッドが悲鳴をあげる
ルクソードは結合部にむけて顔を屈めた


『ひぁ…ッ!あ、ん…!』
「どーだよナマエ。ルクのし・た・わ・ざ」
『やっ、やだぁ…!やめ、てください…!ルクソードさん…ッ』


とろけるように熱い舌が、ナマエの下部を攻める。
感じる場所を舌先で攻められ、ナマエは体を跳ねさせた。


「お、いーね」
『う、あ……ぁっん』
「濡れて来てるぜ、ナマエ。」
『――――ッ!』


シグバールの細い指がナマエのふくよかな胸を弄ぶと、びくん、と一層体を震わせた


『ア……ぁ――ッんぅ…』
「…ルク、もーイイぜ」


ルクソードの短い髪の毛を掴むように頭を退かす。
その行為に少しだけ不満そうな顔をし、ルクソードは顔をあげた。


「ルクお前、わざと俺のも舐めただろ」
「フン。」
「ったく本当悪趣味な奴だぜ」


そういいながら顔には笑顔を張りつかせ、シグバールは途中まで入れた自身を勢い良くねじ込んだ


『あぁああ゙ッ!!』
「はっ…あっつ…ナマエ、動くぜぇ…っ」
「……?シグバール、少し待て」
「あ…?」


ルクソードはある事に気付いた。その場に目を見やり、眉を顰めた。


「ナマエ、お前…」
『……ッ…やめ、て…』


その場から血が一筋流れていた。


「…お前処女か?ラッキー。ルク悪いなー!」
「あのな、優しくしてやれ」


そう呟き、乾いたナマエの唇を舌でなぞり、口付けた



「優しく、ね。お前が、んな事言えんのかよ偽紳士」
『ふっ、んん――!ん、ぅ…』
「ん、…は、俺はいつでもレディには優しいが?お前と違って」


にやりと不敵に笑うルクソードの目は笑っていない。
それは"人"を"敵"として見る目。


「はんっ。俺は女を我慢出来る程大人しくもねーし、紳士じゃねぇからよ」
『あァ、っひ…あ!』
「優しくなんてしてやんねぇっつうの」
『イヤぁ…っ』


結合部から響く交わりの音。
中を抉る欲望は臓物全て押し出されるように激しい


『い……き、が…っ』
「あ、ぁ?何だって?」
『アぅう、ふ…、やぁ……苦し、ぃっ!』
「シグバール、ナマエをあまりいじめるな。」
『や、うー…っ、ルク……ぉド、さっ…ん…助け…』


シグバールの激しい突きの所為か目を隠していた布がずるずると取れてシーツに落ちた。


「あー…取れ、ちまっ…たな」
『しぐば……る、さ…』


救いを求めるような声に熱が高まる




イトハン