我慢出来ねえ。
病人相手に何おっ勃ててんだとか思うけど
コイツのちょっとした仕種で俺の中の何かがブツリ、ブツリと切れる
『は…っあ……』
「ナマエ…?苦しい、のか…?」
『ん……ごほっ…』
喉が痛むのかナマエの白い手は喉を摩って咳を吐き出す。
熱は充分に下がってる。けど今年の風邪は咳が長引くようだな、とシグバールは考えながらナマエの体を抱き起こして水を手渡した。
『シグぅ…?』
「ん?」
『風邪…感染っても……知らないから、ね…』
「お前に感染った後の風邪なら嬉しいっつーの」
『ばぁ…か』
「お前が楽になるならいくらでも貰ってやるよ」
額にキスを落とすと擽ったそうに薄く目を閉じるナマエ。
少し荒い呼吸が情事の事を思い出させる。
ああ、くそ。
「…ナマエ、」
『な、に?』
「風邪ってよ、汗かいて治すだろォ?運動したら汗かくだろ?」
『わかる…けど……私…今運動する力ないよ…』
俺に背中を預けたまま、ナマエは水を口に含む。
口端から少し落ちる雫がとても艶かしく見え、押さえていた理性がとうとう切れる。
「お前は動かない運動あんじゃねーか」
『?』
ナマエの俯いた顔を上に向かせてキスを落とすと驚いた表情が視界に入った。
『ぁ…シ……ん、』
必死に言葉を紡ごうとするナマエにシグバールの体の熱が疼く。
ナマエをベッドへ押し付け、ひたすら唇を貪った。
『んんっ……!ふ、ぅ…ちょ…し……ぐ…!!』
軽く熱の篭った熱い舌を絡め取ったあと、唇を離すと糸が引き、虚ろに見上げてくる顔に苦笑しながら口端から零れた唾液を拭き取る
『…私は…病人だよ…』
「……お前が悪い」
『何がよ…』
「お前は動かなくていいから」
ナマエの体を冷やすわけにはいかないから布団をまるごと被り、衣類を取り外す。
暖房が利いていても、さすがに裸でいるには寒い。
『シ、グ…手…冷たい…』
「お前は熱いな」
そのまま下に触れると体が大きく跳ねた。
『やっ…ぁ、シグ…冷たいよ…』
「お前の熱であっためろ」
急な刺激で少しばかり姿を現した蜜を指で掬い取り、脈打つ中に差し入れると吐息を零してナマエはしがみついた。
『あ、ぁ…っ…ヤダぁ…』
「……煽りやがって…」
『煽ってなんか…っ』
熱に浮かれてる所為か、あまり濡れない。
ふと先程の蜂蜜が目に入り、それを掬い上げた。
『なっ…ぁ、ちょ…っ…シグ何して…!』
「慣らさねぇと、な?」
ぽたりぽたりと琥珀色の液体を手に垂らし、再び脈打つナマエの膣内に指を捩込む。
『やっ…はァ、なに…してっ』
「蜂蜜は体にイイからな」
ぱたた、とナマエの白い体に蜂蜜を零す。まるでキャンバスに絵を描くように、胸元から足の付け根にかけて垂らす。
片方は中に埋め込んだまま、胸を揉みほぐすと熱を帯びて桃色に染まった体が反応を示す。
『シグ…やだぁ……』
「甘ぇ匂い…」
胸の飾りを口に含み、舌で転がしながらも中を掻き回す指の動きは止めない。
快楽に浸りすぎたそこは十分に濡れ始めていた。
『はっ、や、あぁん!』
「……」
体を反らし、息を荒く吐くナマエは達した余韻を吐息に現した。
ズルリ、と指を抜き取るとナマエの蜜か、蜂蜜なのか分からない粘着が指に纏わり付く。
それに舌を這わすとナマエの顔が真っ赤に染まる
『ゃ、めて、よ…そーいう事…するの。』
「お前の蜜なのか、蜂蜜か味わかんねぇくらい甘い」
『も…ベタベタ…する…』
「綺麗にしてやるっ…て…!!」
『あ、ん――…ッ!』
熱く屹立した自身をヒクつくナマエの中へ突き立てると、ぐちゅ、と卑猥な音が鳴った。
滑らかな滑りにシグバールは顔を歪めた
「イイ、ぐらい…っ」
『よくな…い……もぉ…』
白い体に散らばる蜂蜜を、胸元から鎖骨、首筋に渡って舐め取り、顎を一舐めして口付けた。
口に含んだ蜂蜜をナマエの咥内へと流し込むと慌てて口を離そうとするナマエの頭を押さえ付けて律動を開始する。
『ん、んん!ぁ、ふ…っ』
ごくん、と飲み込む音が耳につき舌を絡め歯列をなぞって唇を離した。
『あっ…ま、シグ…っ何飲まし…っぁあ!』
「お味はどー、よ…っ」
『喉、や、けそ……ぉっ…』
「あァ、風邪、治す為だから…ッ、しゃーねぇ…!」
我慢しすぎた所為か、それか長らく抱かなかった所為か高見に上り詰めるのは早かった。
首筋に吸い付いて、ゆったり動いていた腰を早め、最奥を突き上げた。
きゅう、と締まり上げる膣に欲をたんと吐き出した。
『あ…っ……も、ぉ…ばか…』
「やっべぇ、ナマエ…悪いがすげぇヨかった…」
息を荒げ、愛しさが離れなくてそのまま体に舌を這わせる。
『っ、くすぐったいし、寒いよ…』
「なら、もっとやるか?」
『怠い』
「風呂入ってシーツも変えねーとなぁ」
『シグが全部やってよね。私…知らないから…』
「あいよ」
『キャア!?』
シーツにナマエを包めて抱き上げると驚きの声をあげきつく首に抱き着かれる
『き、急に抱き上げないで』
「んな事言われてもな、さーて、風呂入るぞ」
『え、じ、自分で入れるよ』
「お前俺に全部やれっつったろ。だから」
キュ、とシャワーコックを捻り暖かなお湯を流し浴槽に溜めて行く
「ぜぇーんぶやってやるよ。責任持って」
『……い、いらな…!』
「さってと。まずは体を"綺麗"にしねぇとなァ?」
新たな熱を含み、二人で熱に浮かれる
時間をかけて、琥珀色に濡れた甘い香りを放つ肢体を"綺麗"に洗いミルク色した液が排水溝に流れ込むのをただ見つめた。
再び引き返してきた風邪という病原菌にナマエは悩まされ、俺は古参メンバーとサイクスにこってり絞られるハメになった。
(One drop of milk Syrup)
END
ポン多さんと蜂蜜飲みにくいっていう話になったので…(笑)
07. 2.2
イトハン