闇に消えた人々
それは私の大切な人達だった。


無慈悲に人を消す、強い心を持つ貴方の顔は私の目にしっかりと焼き付いて離れない。


『…私を連れて、私の知りたい真実へと導いてよ』

ぽろぽろ、涙が止まらなく、ただひたすら外部から身を、心を守る為に、鍵をかけて閉ざしていたら貴方に触れられても気付きもしなかった

「ナマエ、と言ったな」
『……』
「…無き者を想うのは、もう止めろ」

堪えてた分の涙、大切な人達へ向けた分の涙を流した夜は現実を否定して

『想ってなんか、ない』

からからに渇いた喉から絞り出すように
嘘を吐いた。
その嘘は、心も体も、落ち着けた
愛を無くして彷徨う夜は

「ならば、来い」

優しく誘う、貴方へついて行く



******


『は、っ……あ…嫌…!』
「ナマエ…」
『や…、めてッ!』

失った人を想い、無力なまま誰に抱かれても私の心と体は癒される事はない

『ぁは…貴方は強い、心を持つ…のね…っ』
「…何…?」
『私は…!貴方に抱かれ…てる今で、さえ…戦い続けてる、のッ』
「過去と?」
『そう……よ…』
「けれど疲れている」
『………ふ、ぁ…』
「その苦しみ、お前の見ている夢を少しの間でいいから見せろ」
『ひぁ……!』

触れられた暖かいぬくもり
過去を夢みてたはずなのに、今は貴方の夢を見る。
憎い、仇なのに、夢を見る事は嫌なはずなのに

私にはその夢が終わってほしくない。

『嫌い…貴方なんか…ッ』
「今から愛せる様になれ」
『嫌よ…』

ねえ、生きる強さの在処を教えてよ
私の中にもまだ愛は存在するのかな?存在するのなら、その姿を今度こそ、もう一度見つけ出したい

(わたしのこころのせんしはあなた?)

END

ザルがヒロインさんの家族闇に消しちゃってグダグタでザル憎むんだけど気付けば惹かれてる


07.2.3


イトハン