貴方がその扉を潜るか潜らないか迷っていても

「ナマエ」

貴方の望む扉は、開いているの

「ナマエ」
『…私といる"今"の世界では満たされないんでしょう?』
「お前も…」
『ゼアノート』

私から、貴方へ。貴方に羽をあげる。

『その先は、言ってはいけない』

貴方がその世界を信じるものならばその羽で飛べばいい

「私と共に、来てくれないのか」
『…そこは私が望む世界じゃないの。私は…その世界に行きたくない』
「ナマエ…頼む」
『……さよなら、ゼアノート』

私が貴方を失っても

「ッ……うぁあああ――!!」



残った記憶は、私の生きる糧となる


そして、貴方は確かなものを探して、見つけた。

その力に"恋"をする。

「我が名は…アンセム。共に、行こう。弱き過去の分身はもうおらず」
『……』
「…私は、ゼムナス。留まるのを止めて、一緒に行こうではないか。過去の私はもう居ない。」
『……出来ない…』


さようなら。

『出来ないの…』

貴方が、変わったように

『…私は、闇には染まらない』


私も、新しい私に変わるの


「ぬっ!?」
「……っ!」


ねえ。消えてしまった貴方に、言いたかった事があるの。
それはたった一つの願いだった
昔の記憶を消して、私も、貴方も新しい二人に変わるの。
貴方は闇の住人に、私は光の住人に


離れるのは寂しいよ
でも、私は泣かない
だって貴方を愛せたという記憶はこの心に残っているから。
ねえ、ゼアノート。
貴方にお願いがあるの

(私に、私にさようならのキスをを、ください)

それだけを、貴方に伝えたかった


END

アンジェラ様の『Kiss Me Good-Bye』の題名をお借りして。
これじゃあ誰夢かわかんなーい!

07.2.1


イトハン