この愛情はもう修復不可能。


「ナマエ。明日、俺任務だから」
『あ…うん。』
「おやすみ」


二人で居ても続く事のない会話。頭の中でシグナルが鳴って
分かっている癖に、心の中では聞かない振り。
私と貴方の間には海の様に長く、遠い距離があるの。
貴方の元へと寄り添ってみたけれど

『シグバール』
「…何だよ」

その場には愛のない貴方がいた

『何でも、ない。おやすみ、なさい』

だから私は貴方の心を"私"という柵から自由にしたいから
別れを告げる

『…ごめん、シグバール。やっぱ話、ある』
「何だよ」
『私達……、別れよっか』


一度だけ目を見開いた貴方だったけどその金の瞳は細められた
冷めた目が私を捕らえる。

「…そうだな」
『普通に、前みたいに…仲間でいよう』
「……あぁ」

明日を、未来を夢見てた。
二人で過ごす未来を。でも変わらない。

『…ありがと』
「ん」
『おやすみ』
「おー…ナマエ」
『なに?んっ!?』
「おやすみさん」

今の貴方の心境なら今交わしたキスが、私への愛を物語っていた

『お、やすみ…』








「じゃ、行くけど…風邪引くなよ?」
『そっちこそ!』
「俺様ナマエみたいに何度も風邪ひかねぇしー」
『うっわ、ムカつくー』

優しい言葉に、甘えていたい

「あー…任務行きたくねぇなぁ」
『ダメじゃん』
「…お前と居たい」


でも、優しくされても貴方の目が嘘を言うの。


この愛は現在も止まったままだけど続く事を願い、その反面、貴方が私から自由になるようにと願いを込めて


『…なに言ってんの…、ばっかじゃないの。ほら行ってらっしゃい』


これが、貴方へ送る私からの最初で最後のキスよ

(この愛情は、現在終わっています)


END


ヒロインナマエさん→シグみたいな。もう愛情薄れてんの!
ヒロインさんは別れたくないけど愛に応えないシグに諦めて別れのチッス。
アンジェラ様のアルバム、『Love Is Over Now』から


07.2.2


イトハン