甘い匂い
誘われるように軽やかステップ

『ひゃっ!』

甘さをぶちまけたチョコレート

「…何をしてるんだ?」
『ルク…』
「新しい遊びか、ナマエ。」
『違うよ!』


茶色いどろどろの床
部屋に広がる噎せ返る甘い匂い
ぽつんと立ち尽くすナマエ

「ああ、バレンタインか」
『うん』
「ふむ……」

ひらひらエプロン
ピンクのリボンで束ねた髪の毛
不器用さを表す茶色の飛沫。
恨めしげに見上げるナマエ

「…俺にか?」
『うん。でも失敗した』
「見て分かる。」
『買い直すから今のは見なかった事にして』

モップを取り出し、床を磨き始めるナマエ。

そんな彼女を背後から抱きしめる
欝陶しい、と邪険にする彼女だが気にせず力を込める。

『ルク〜?邪魔。掃除出来ない』
「デミックスにでもさせておけ」
『何言ってんの。チョコ作れなくなる』
「いい、いらんぞ」


ひらりと抱き上げ、ベッドへ押し倒すと目を見開くナマエの姿。

『な、何!?』
「…甘いチョコはいらん。お前をいただく」
『あ、も…ルク…っ!ちょっと!!』
「丁度ラッピングもリボンもされてるしな」
『違ーう!』

チョコの甘い香りに包まれたナマエを余す事なく美味しく戴いた


(すごいな、甘い香り)


END

遅れちゃったな…バレンタインー

07.2.22


イトハン