それから数時間、他愛ない話を続け、辺りが冷えてきた。

「さみィなー」
『肌寒いねー…紅茶も冷めちゃった…』
「そうですね…そろそろお開きにしますか」
「そうだな…ナマエが風邪引いたら困る」

レクセウスの大きな手が私の頭を撫でる。冷えた身体にはそれは暖かくて心地良い。

『私よりヴィクセンだよ…いつも寝不足で不規則生活してるんだから』
「言えている」
「私が風邪など引く訳がない」

不機嫌そうに反論するヴィクセンに、カップを片付けながら私とザルディンは苦笑した。

「ナマエ、これはどうするのだ?」
『あ…そのまま台所に置いてていいで…、いいよ!』

ゼムナスが小さく頷くとキッチンへと向かって行く姿。
テーブルに広げられていたカップや茶菓子達はあっという間になくなった。
まるで、先程まで何事もなかったかのように。

「じゃあ、ナマエ。今日はご馳走様でした」
「…今度は土産を持って来る」
『ありがとう、ゼクシオン、レクセウス』
「おやすみなさい」
「…おやすみ」
『はーい』

明日は早い任務だと言う2人は先に部屋を出ていった。
ヴィクセンも眠たいのか目が泳いでいる。舟を漕いだかと思えばはっとして目を開ける

『ヴィクセン泊まってく?』
「…は?」
『眠そうだから』
「かっ、構わん!自分の部屋で眠る」

ふらふらと千鳥足で扉へ向かうヴィクセンをがしりと掴み、開いた空間に投げるように押す。同時に鈍い音が聞こえた。
ナマエはその行動を起こしたシグバールに目を見開いた。

『今…すごい音が』
「気にすんな。んじゃナマエ、また明日な〜」
『うん…おやすみ〜』


しゅるりと消えた空間。ナマエは溜息を吐き振り返る。

『ぎゃあ!』
「…俺達も部屋に戻るぞ」
『はっ、背後に立たないでよザルディン!』
「すまん」
「ナマエ。馳走になった。今日はゆっくり休め」
『あ、はい、じゃなくて、うん』


扉が閉まると、騒がしかった部屋が一気に静かになった。


***

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チェリーさま、大変遅くなりました…!
長らくお待たせした癖にこのような出来で大変申し訳ない気持ちでいっぱいです…!
『古株が出て、全員告白されて選択肢』というリクエストを承りましたが一度も書いた事がなかったので何度か書き直し、かなり不安な出来になってしまいました。
お気に召されたら幸いです…!お気に召されなかったら返品可能ですので!
最後に、本当に長らくお待たせして申し訳ありませんでした…!
リクエストありがとうございました!


イトハン