甘い香り。
この時期になると世の中女達は忙しくなり、男達はそわそわし始めるらしい。
そしてある会社の陰謀が始まると聞いた。

「何の匂いだ…」
『ゼムナス』
「…ナマエ、なんだこの少し黒い茶色い塊は」
『変な表現やめて。これはブラウニーよ』

もぐもぐと食べているナマエは片手にそのブラウニーと呼ばれるケーキのようなものを持ちもう片手には板状のチョコレートを持って頬張っていた

「太るぞ」
『んーでも甘くてやめられないもん。この匂い、しあわせ。』

確かに、この部屋中甘い香りが漂っている。
よくこの甘ったるい香りの中で甘いモノが食えるものだ、と視線を向けるとナマエの瞳がこちらを見つめていた

『ゼムナス』
「…」
『バレンタインチョコあげるー。このブラウニーあたしが作ったんだよ』

差し出されたのはブラウニーの一欠けら。
それを手渡されるがナマエの手を引いて口許に近付けて頬張る。
途端に甘い香りと味が口の中に広がった。


『どお?』
「…甘いな」
『ふふー!もちろん愛情たっぷりなんだよ〜。みんな喜んでくれるかなー』

ぱきっと音を立てて板状のチョコレートをかじるナマエ。
甘い上に更に甘いモノを食べるなど味覚は大丈夫なのだろうか、と考えた。
ふと、ナマエの口許に付いているチョコレートに目が行く。

「ナマエ」
『んー?』

この甘い香りに、惑わされたのか
気付けばナマエの手を捕らえたまま、ナマエの口許に付いているチョコレートを舐め取った。
突然の事で驚いたナマエは身を引く。

『ちょっ』
「これが良い。」
『ゼムナスッ…!ん、』


舐め取ると同時に唇を割って舌を差し入れるとナマエの身体が震えた。
その反応が面白く、ナマエの軽い抵抗などお構いなしに味わう。
力が抜けたのを感じ、唇を離すと顔を真っ赤にし、睨みつけてきた。


『…に、する…っ』
「美味しそうだったから、つい、な。」
『だからって…もうっ…』
「…もっとくれるか、ナマエ、お前を。」
『……ちょ、キザ…!!もう…ブラウニー、全部無くしてくれるなら…いーけど』
「いいだろう」


真っ赤になったナマエに、再び口付けを送る。
また、甘い味が広がった。
たまには甘いのもいいかもしれないと思ったのは内に秘めた。


END

はぴーバレンタイン!
アンケート1位を獲得した指導者夢です。流石はナンバーワン。
1の話し方ってよう分からん。
ボスは甘いの食べれるけど食べ物とかに疎そう。

イトハン