「北くん、好きです。一目惚れしましました」
私の一世一代の告白は中学二年生の時、場所は体育館で行われた。私の心臓はバクバクと五月蝿く鼓動しているのに、目の前の彼は大きく目を見開いて固まっていた。そして数秒後口にした言葉は、あんた誰や?だった。
「…初対面で好きや言われてもどうこう出来やんわ」
見事玉砕された春。桜は綺麗に散っていた。五月になり緑深まる頃私は男子バレー部のマネージャーになっていた。にこにこ笑う私を他所に北くんはとても嫌そうにしていた。帰りに呼ばれて傍に行くがまた難しい顔をされた。
「なんでマネージャーするんや」
「北くんを応援したいからに決まってるやん!」
「あのな、私情挟むんはあかんやろ。ここにおるメンバーはみんな遊びでしとるわけやない。大体俺は今誰とも付き合いたいと思わんしここまで付きまとわれたら正直迷惑や」
ピシャリと言われてしまい私は自分の手を強く握った。
「うん。わかった」
「それなら」
「私も本気で応援する」
「は?」
「北くんのことは好きやけど、私はそれ以上に北くんのことを応援したい。強くなる姿を近くで見たい」
「なんやそれ」
「好きって感情は無くせへんけど、バレー部に私情は挟まん。絶対。約束する。それじゃあかん?」
「…まあ、それならええけど」
ええとは言ってるものの納得しきれていない彼の様子を見て私は困ったように笑った。
「バレー部の役に立てるように頑張るから!」
この日から私の北くんへの恋心を封印していちマネージャーとしてバレー部に入部することになった。
一番の友達であるゆっちゃんに報告したら凄くひかれた。あんたはそれでええん?と何度も言われたが私の気持ちは変わらなかった。変やと思われても、私は私が後悔しないように北くんを近くで応援したい。ただ、それだけだ。